
友達に仕事を依頼された時、「友達価格でよろしく」と言われた経験はないでしょうか。
私はこの言葉に、ずっと違和感を持っています。
友達価格とは何なのでしょうか。 安くしてほしい、という意味なのか。 それとも、友達だからこそ遠慮なく請求してほしいという意味なのか。
言葉は同じでも、そこに含まれる前提はまったく違います。
値引きとは「価値の否定」である
私は基本的に、値引き交渉には応じません。
なぜなら、値引き要求というのは「その仕事にその金額の価値を感じていない」という意思表示だからです。
もちろん、予算に限りがあるのは当然のことです。 しかし、提示した金額に納得できないのであれば、他の方を探していただく方がお互いにとって健全だと考えています。
無理に契約する必要はありません。 仕事は双方が納得して成立するものです。
友達だからこそ、適正価格で
私が発注する側になるときも、値引き交渉はしません。
むしろ、信頼できる友人に難しい案件を依頼するときほど、相場よりも高くお支払いしたいと考えています。
理由は単純です。 関係を壊したくないからです。
安く依頼するという行為は、どこかで「あなたの仕事にはそこまでの価値はない」と言っているのと同じです。
友情の上に成り立つ仕事ほど、価格は曖昧にしない方が良いと思っています。
苦しいときほど、友達に甘えてはいけない
経営が厳しいときに、友達に安値で仕事を頼むという話も耳にします。
「今は苦しいけれど、回復したら必ず返す」
そうした気持ちは理解できます。
しかし、通常の状態を維持できない状況から業績を回復させることは簡単ではありません。 可能性がゼロとは言いませんが、現実的には極めて難しいのが経営です。
だからこそ私は、厳しい状況であればあるほど、友達に安値で依頼するべきではないと考えています。
それは友情に対して誠実ではないからです。
感情が近いほど、壊れた時のダメージは大きい
過去、会計事務所に勤務していた頃、友達価格や知り合い価格で受けた案件が結果的に不幸な結末を迎える場面を何度も見てきました。
感情が入りすぎると、判断が鈍ります。 そしてトラブルが起きたとき、関係が近いほどダメージは大きくなります。
親子、兄弟、親友、友達。 距離が近いほど、壊れたときの影響は深刻です。
私の結論
友達だから安くするのではなく、友達だからこそ適正価格で依頼する。
仕事は仕事。友情は友情。 混ぜた瞬間に、どちらも脆くなります。
分けることが、長く続く関係を守る方法だと思っています。