昔の原チャリって100キロくらいスピードが出たって本当?の話

原付自転車
現在は4ストになってしまい、乗り味がおとなしくなってしまった原動機付自転車、通称原チャリ。30年前は邪魔なくらい走っていましたが今は見かけることが少なくなりました。
40代から50代にかけての人達は、16歳の誕生日当日に原付の免許を取りにいくのが当たり前のことだったと思います。私の16歳の誕生日は土曜日だったので、免許取得は誕生日の2日後になってしまい、泣くほど悔しい思いをしたことを覚えています。

原付の販売台数

二輪車販売台数(国内末端販売店向け出荷台数)

二輪車販売台数
1980年は200万台近く売れていた原付自転車は2000年には約56万台しか売れず、2017年は17万台しか売れませんでした。37年で販売台数が91.2%も減ってしまいました。

原付自転車販売減の理由

暴走族対策である原付自転車が売れなくなった理由は、三ない運動、「免許を取らせない」「買わせない」「運転させない」が原因とかバブル崩壊や1998年の排出ガス規制で2ストから4スト化をしたこと、2006年に駐車や駐輪に対する規制が厳しくなったことが原因と書かれていることが多いです。
人口分布
これは2016年10月現在の人口分布マップです。60歳未満では45歳前後の人が人口のピークであり、2016年から30年前くらいである1986年に原付免許を取ることができる16歳になっています。人口減少に合わせて原付自動車の売上げが減ってきたと思っていたのですが、16歳から20歳くらいの人口がピークであった1985年頃より前の1980年の方が原付自転車の販売台数が多かったことが意外でした。
原付自転車に興味を持つ年代の推移だけでなく、様々なことが理由で根本的な問題として需要が減ってしまっていることを表しています。原付自転車に興味を持つ人が減ったことも原因の1つではあると思いますが、そのことが1番の原因であるかも微妙な状態であり、複合的な理由で販売台数が直近37年間で9割以上減ってしまいました。

原付自転車に乗ることのメリット

50問の筆記テストで9割を正答するだけで取得できる簡単な資格です。普通自動車の免許を取得するだけで原付自転車のを運転することができます。制限時速30キロであるという異常な制限がありますが、簡単に取得できる割に非常に便利な乗り物です。

原付自転車が売れなくなってしまった理由

原付自転車に興味を持つ若者人口が減った

30年くらい前と比べると原付免許を取ることができる16歳の人口が100万人から50万人程度へと半分になっています。16歳から20歳くらいの人口もほぼ同じくらいの割合で減少しています。
販売台数は半分どころか9割も販売台数が減少しているので、10台後半の人口減少だけが原因ではありませんが、この世代の人口減少は販売台数減少にかなり影響を及ぼしていると思われます。

排気ガス規制の影響でエンジンシステムが変更

排気ガスの規制が厳しくなったことにより、エンジンのシステムが2ストから4ストへと変わってしまいました。2ストと4ストの違いは下記サイトでわかりやすく説明されています。
4ストロークと2ストロークの違い
2ストから4ストに変わったことで乗り味がおとなしくなり、燃費も良くなったので単なる移動手段としての道具としては使い勝手は良くなりました。しかし爆発的な加速力が魅力であった2ストの原付自転車、知識なく普通に乗ってアクセルを全開にするとほぼ全員がウイリーしてこけてしまうほどのふざけた加速力。安全性が全然考慮されていない加速力が魅力的でした。
危険性のある乗り物でなくなってしまったことで若い人達にとっては魅力的な乗り物ではなくなってしまった可能性があります。

駐輪場規制

30年くらい前はどこでも適当に駐輪しても大丈夫でしたが、2006年に駐車監視員制度が導入されてからは駅前を中心に、駐輪場以外の場所に駐めるとすぐに撤去されてしまうことが多くなってしまいました。原付に限らずバイクでどこかに行く時は目的地近くの駐輪場を探す必要がある状況です。駐車場と比べると駐輪場は圧倒的に少ないので探すのもひと苦労です。
2018年になり、二輪車の駐車規制緩和をするという方向に動き始めているようですが今さら感が強すぎです。二輪車全体の販売量には影響すると思いますが原付自転車の販売量には大きな影響はなさそうです。

現実的ではないスピード制限

原動付き自転車と言う名の通り、一応自転車扱いである影響からかスピード制限は30キロです。今も昔も変わらず30キロ。多車線の国道を宣言速度を守り30キロで走ることは非常に危険で怖いですし、他の車やバイクにとっても邪魔で危ない存在です。
急ぐとか違反の意識とは関係なく、危険ではない運転をするためにはリミッターのきく60キロ程度で走るのが現実的です。それを狙ってパトカーや白バイが取り締まりをする。原付自転車に乗っていたらすぐに免停になってしまいます。警察は30キロで走ることが本当に安全だと思っているのでしょうか。東京の主要幹線道路を30キロで走ってたら跳ね飛ばされて死んじゃいますって。

原付自転車の価格高騰

30年くらい前はヤマハのジョグやスズキのハイなどの主要原付自転車の価格は12万円くらいでした。今の原付自転車は15万円以上、20万円近くします。10万円台前半だと買いやすいですが、魅力が減り面倒な駐輪規制やスピード規制がある乗り物に20万円近く出すのは非常に抵抗がある状況です。売れなくて当たり前だと思います。

電動自転車の普及

3人乗りも可能な電動自転車の普及も原付自転車売上減少の大きな原因になっています。原付自転車は2人乗りも禁止されていて、ヘルメット装着も義務付けられています。30キロというスピード制限がされている現状は、原付自転車が電動自転車に対するアドバンテージは法令違反になりますが出そうと思えば60キロくらいまでスピードが出ること。それ以外に原付自転車が勝てる部分はありません。
書き始めはどうしてこんなに原付自転車の販売台数が減ってしまったのだろう、と不思議に思いながら書き始めたのですが、ここまで書いたらいろいろなことが複合的に絡み、原付自転車はどの世代にとっても魅力的な商品ではなくなってしまっていることに気が付きました。

30年前の原付自転車の魅力

文頭にも書きましたが30年くらい前は16歳の誕生日に原付の免許を取れることが楽しみで楽しみで仕方なかった人が多かったと思います。自転車のように漕ぐことをせずに坂でも楽に移動できる乗り物、非常に魅力的でした。
30年前に主流だった原チャリ。ギアチェンジなしの主なオートマチック車はこんな感じでしょうか。
・ヤマハ ジョグ
・ホンダ DIO
・ホンダ タクト
・スズキ ハイ
・スズキ ハイR
・スズキ ハイアップ
・スズキ アドレス
もう少し前の時代はパッソルやパッソーラ、薔薇などw
ギア付きですとこんな感じでしょうか。
・NSR
・YSR
・RGγ ガンマ
・カブ
・モンキー
・ゴリラ
スピード制限は30キロでしたが、リミッターは60キロ。どの原付も60キロまでは普通に出ていましたが60キロでリミッターがかかっていたので60キロを超えるスピードは出ませんでした。
当時は簡単にリミッターカットをすることができ、原付のギアチェンジなしのオートマチック車であるジョグやハイやアドレスはリミッターカットをするだけで70キロくらいまでのスピードが出ていました。
ギア付きで原付の方がスピードは出しやすかったです。
RGγガンマはリミッターカットをして、マフラーを変えただけで80キロくらいまで出ていました。お金をかければ100キロ近くまで出そうでしたが、エンジンがすぐに壊れてしまいそうな危うさがありました。
法令違反行為ではありましたが、昔はこんなことで楽しんでいた人が多かったです。

この記事を書いた人

山口 健一