完全禁煙店を増やした串カツ田中が好決算!の話

串カツ
2019年1月15日に2018年11月期の決算が開示され、1月16日に決算説明会が開催されました。

2018年11月期の連結決算は、16年に上場して以来、実質的な3期連続の増収増益(営業利益ベース)となった(17年11月期までは単独決算)。既存店売上高は前期比2.6%増だった。

決算で見えた、串カツ田中「全席禁煙」戦略の成否
注目されてた既存店売上高は前期比2.6増でした。これは2017年12月から2018年11月までの既存店売上高の話。完全禁煙店を大幅に増やした6月以降の既存店売上高の前月比は下記の通りです。
・6月 2.9%減
・7月 1.9%増
・8月 9.7%増
・9月 4.7%減
・10月 11.6%増
・11月 1.0%減
・12月 13.7%増
家族連れが増えた結果子供が増え、客単価が減少している影響で増減に波はありますが概ね順調に既存店売上高が推移しています。10月と12月は2桁増という驚異的な伸びです。
既存店の客数の前年同期比の推移は下記の通りです。
・6月 2.2%増
・7月 4.1%増
・8月 12.1%増
・9月 0.4%減
・10月 16.0%増
・11月 0.8%増
・12月 18.4%増
客層が喫煙者から非喫煙者に入れ替わっていることを連想させる推移となっています。男性会社員比率が前期31.1%から24.1%に減り、家族連れが13.4%から20.8%に増えています。
客数と客単価の推移を見ると喫煙者の男性が減り、家族連れが増えていることがよくわかります。しかし一番のターゲットである非喫煙者の男性はまだあまり増えていないと思われます。
平成30年11月度の月次報告
平成30年12月度の月次報告
非喫煙者で比較的裕福な人は揚げ物は避けるということもあり、お店の入り口に灰皿が置かれてしまっていることも影響しています。
家族連れをさらに増やすことも課題ですが、今後はいかに非喫煙者の男性を来店させるかが一番の課題ですね。
客層が少し入れ替わり、やっとスタートラインに立ったところだと思います。マクドナルドも完全禁煙化から業績回復までに1年以上かかりました。
串カツ田中は客層を入れ替えることができる状況になったこれからが勝負です。

入り口の灰皿を撤去しましょう

まずお店の入り口にある灰皿をなくしましょう。入り口に灰皿かあるせいですでに非喫煙者の大半はお店に行きたくなくなっています。
喫煙者にとっては小さなことと感じるかもしれませんが、非喫煙者にとっては非常にこれは大きな問題なのです。
今から灰皿を撤去しても、一度入り口に灰皿があることで店に行くのをやめた人がもう一度お店に来るまでは相当な時間がかかります。
禁煙路線でいくと決めたのなら、中途半端なことはせずにお店入り口付近の灰皿はすぐに撤去するべきです。私は入り口に灰皿があるらしいとの話をツイッターで見ているので、店の入り口までも行く気がしません。
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非喫煙者が揚げ物を食べるのか?

喫煙者の客は今後増えることは見込めないので非喫煙者の客を増やすしかありません。
単価は安いですが、ジャンクフードである揚げ物のお店に非喫煙者がお金を落とすかどうかは未知数です。
客単価を大幅に引き上げるほど揚げ物を沢山食べるとは思えず、家族連れ以外の非喫煙者の客数を増やすことも簡単ではない状況です。
ジャンクフードであるマクドナルドが成功しているので、串カツ田中も作戦次第だとは思いますが今までのキャンペーンは喫煙者を呼び戻す方向や値下げキャンペーンばかりなので非喫煙者の客数が増える効果は出ていません。
単価と質を上げると家族連れは離れるでしょう。家族連れが離れてもお金を多く落とす非喫煙者の客が増えれば問題ありませんが、単価が高い揚げ物にどれくらい需要があるのか。
揚げ物という特性を考えると非常に舵取りが難しいと思います。この難しい舵取りをどうしていくのか、今後の展開と推移を興味深く見ていきたいと思ってます。

この記事を書いた人

山口 健一

20年以上会計事務所で勤務し、20件以上の税務調査経験があります。

これだけの経験がある私だからこそ税理士との交渉をスムーズでわかりやすいものにするお手伝いをすることができます。

税務、法務、労務など会社経営に必要な全て業務知識を網羅しており、私が可能なことは私が対応をし、専門家に依頼すべきことは適切な専門家に依頼、仲介をすることができます。