たばこ休憩が不公平ではないとの記事!の話

喫煙所
2019年1月27日に東洋経済オンラインに「たばこ休憩」を不公平と思う人に欠けた視点との記事が掲載されました。

一見たばこ休憩が多いように見えても、たとえば、55分間驚異的に集中して、5分間たばこを吸って気分転換し、また55分仕事をするというのが本人にとって最適のリズムで、会社が求める以上の成果を出してくれているならば何の問題もないはずです。

このようにたばこ休憩が多かったとしても、仕事の成果を多く出していれば問題がない。たばこ休憩が問題なのではなく、結果である仕事の質と量で判断すべきであるとの趣旨の記事です。
釣りのようなくだらない記事なので釣られるのも悔しいと思いましたが、釣られておきましたw

たばこ休憩の問題点

1 たばこを吸っている時間は仕事をしていない
2 喫煙所と往復時間も仕事をしていない
3 たばこを吸っていない時間は脳の働きが悪く、パフォーマンスが悪い
4 たばこを吸って職場に戻ると周りに人に受動喫煙の悪影響が出る

仕事時間が短い

1番と2番の影響で仕事時間が短くなります。吸わない人と比べて不公平であるかどうかという問題以前の問題だと思います。
勤務時間に仕事をしないなんて言語道断です。喫煙所はコミュニケーションの場であると本気で主張する人もしますが、喫煙所がないとコミュニケーションが取れない人は会社にとって必要なのでしょうか。よく考えてみてください。
喫煙所まで行き、たばこを吸って仕事をリスタートするまでに何分かかりますでしょうか。普通のたばこもアイコスも1本吸うのにかかる時間は5分くらい。喫煙所の往復も含めると1本当たり7分はロスすることになります。
9時間勤務で1時間に1度たばこを吸う場合は7分×8回で56分です。勤務時間中に56分も仕事をしていないことになります。
勤務時間中に毎日1時間近く寝ている人がいた場合、どう思いますでしょうか。まともな人とは思えないですよね。1時間に1回ペースでたばこ休憩をしている人は1時間席で寝てる人と同じくらい仕事をしていないのです。
職場で毎日1時間も昼寝している人がいたら、まわりの人のモチベーションはかなり下がります。たばこ休憩している人のことを非喫煙者は毎日昼寝を1時間している人と同じような目で見ているのです。
本人の仕事時間が減るだけでなく、まわりの人のモチベーションも下げてしまうという悪影響があります。
2時間に1度のたばこ休憩であっても7分×4回で28分。毎日勤務時間中に30分も仕事をしていないことになります。
では10分なら良いのかという問題ではありません。例として60分と30分との話を書きましたが、時間の長さの問題ではないのです。

たばこを吸うとスッキリするのか

喫煙者はたばこを吸うと頭がスッキリします。イライラも和らぎます。私が1日80本くらい吸う喫煙者だったのでこの気持ちはよくわかります。
頭をスッキリさせて仕事の効率を上げるためにたばこを吸う、たばこを吸うことで仕事が捗るからたばこを吸うことはプラスであると主張する人がいます。
しかしこれは大間違いです。覚醒剤などのおかしな薬ではないのでたばこを吸っても能力以上のことができるわけではありません。
喫煙者の脳、たばこを吸っていない時は動きが鈍いのです。たばこの影響で脳の働きが鈍くなり、ぼけーっとしています。
たばこを吸うとスッキリして快調になるのではなく、普通の常態に戻るだけ。非喫煙者の脳に近い状態に戻るだけなのです。
たばこを吸うことで吸っている時以外は調子が悪く、たばこを吸っている時だけ普通の常態に近い状態になるだけ。
たばこを吸うと頭がスッキリすると言っている人はこの仕組みに気付いていないのです。ググればいっぱい出てくるので調べてみてください。

受動喫煙の問題

受動喫煙の影響はたばこの煙だけでなく、たばこを吸ってきた人の服や息からも影響があります。
たばこを吸っている人からしてみると細かい話、重箱の隅をつつくようなバカな話と感じるかもしれませんが非喫煙者からしてみると、自分に非が全くないのに癌や病気になってしまう確率が上がってしまうなんて絶対に嫌なことです。
楽しかったり気持ち良ければ仕方ないと思います。でも臭くて仕事をしない人の影響で癌などの病気になる確率が上がるなんて、絶対に嫌です。

東洋経済オンラインの記事

このように問題だらけのたばこ休憩ですが、東洋経済オンラインの記事では私が書いたような内容についてはほとんど触れられていません。
自席でコーヒーやお菓子を食べるのは問題ないと書かれていますが、勤務時間中にお菓子を食べることが問題ないとの感覚、どうかしていると思います。
自席でコーヒーを飲む場合であっても、たばこを吸う感覚でコーヒーを飲んでいる場合は仕事をしているとは言えない状態だと思います。

自席でたばこを吸っていた時代

昔はオフィスの自席でたばこを吸うことができました。私はその時にたばこを吸いながら仕事をしていたのですが、ハッキリ言ってたばこを吸うか吸わないかでパフォーマンスが大きく変わってきます。
たばこを吸いながら仕事をして進むわけないのです。たばこを持ち、たばこに火を点け、たばこを吸い、灰を落とし、たばこを消す、この時間が自席であっても無駄なのです。
たばこを吸っていた当時は全く意識していませんでした、今考えてみると完全にさぼり時間です。

アウトプットで判断

記事の結びはアウトプットで判断、つまりたばこ休憩をしているかどうかではなく仕事量や仕事内容など結果で判断すべきと書かれています。
仮に毎日たばこ休憩を1時間している人が他の人と比べて仕事のパフォーマンスが良かったとしても、たばこ休憩1時間がなければもっと仕事ができることになります。
たばこ休憩1時間がないと頭がスッキリしなくてパフォーマンスが落ちてダメなのであれば病気です。
完全にたばこという薬物中毒状態です。今すぐにたばこをやめるべきです。たばこを吸いながら仕事を続けるという選択はおかしいのです。
結論
たばこに受動喫煙という問題がなければ、不公平なのかどうなのか会社次第であり自由で好きにしても良い部分もあると思います。
仕事をしない人を雇い続けるかどうかは会社の自由であり、そのような人がいる職場で働き続けるかどうかも自由です。
しかし受動喫煙という問題があるたばこの話は健康被害の影響があるので放置しておくべきではありませんし、今回の記事のような質の悪い記事を拡散させるべきではありません。
ネタとして、釣りとしての部分が大きいのかもしれませんが東洋経済には猛省をしてもらいたいです。

この記事を書いた人

山口 健一

20年以上会計事務所で勤務し、20件以上の税務調査経験があります。

これだけの経験がある私だからこそ税理士との交渉をスムーズでわかりやすいものにするお手伝いをすることができます。

税務、法務、労務など会社経営に必要な全て業務知識を網羅しており、私が可能なことは私が対応をし、専門家に依頼すべきことは適切な専門家に依頼、仲介をすることができます。