串カツ田中が2018年6月1日から85%の店舗を完全禁煙店にしてから5ヶ月が経過しました。完全禁煙店舗を増やした6月はワールドカップ開催中だったことや、周知徹底がされていなかったこともあり、業績を見ても良いのか悪いのかよくわからない状況でした。
串カツ田中が禁煙店を増やして1ヶ月経過の結果!の話
串カツ田中の5ヶ月間の業績
11月5日に10月までの月次報告が開示されました。6月以降の客数の前年同期比の推移は下記の通りです。・6月 2.2%増
・7月 4.1%増
・8月 12.1%増
・9月 0.4%減
・10月 16.0%増
台風の影響やワールドカップなどのイベントがなく、キャンペーンなどを多くやった結果ではありますが10月の客数は前年同月と比べて16%増え、売上高は11.6%増えました。
平成30年10月度の月次報告
この価格帯の飲食店全体がどこも好調というわけではなく、鳥貴族は1品18円の値上げした影響もあり2018年9月まで9ヶ月連続で客数も売上高も前年同月と比べて減少の状態が続いています。
鳥貴族の客数の減少は10%近くや10%超の月もあり、かなり深刻な状態です。違う料理のお店ではありますが、激安店ということで客層はほぼ同じです。禁煙店を増やしたことと喫煙店で突き進む店の勝負がほぼついてしまったという状態です。
完全禁煙店を増やした串かつ田中と喫煙者優遇の鳥貴族との勝負がつくのはまだもう少し先だと思っていました。1年から1年半後くらい。半年程度で決着がついてしまった理由は喫煙率の減少が大きな影響なのだと思います。
客層の悪い激安店である串カツ田中と鳥貴族。禁煙化した場合と喫煙店続行をした場合のサンプルとして、とても面白い2店舗だと思い注目しています。今後も串カツ田中と鳥貴族の業績を追っていきます。
余力があるうちに禁煙店に
串カツ田中と鳥貴族の業績を見たり、ニュースを読んだりすることで、現在喫煙店である飲食店はどう動くか迷っていると思います。完全禁煙店にするということは今来ている客にタバコを吸うのを我慢してもらうのではありません。客層を完全に入れ替えることが目的です。今来ているタバコを数客には来るな!ということなのです。
この部分を勘違いしてしまうと中途半端なおかしなことになってしまいます。
喫煙室を作る勘違い店
店内で分煙をしているお店は禁煙席に煙が流れ込んでくるので勘違いがどうのという前にバカです。論外なので書くのを省略します。非喫煙者のことを考えていない店
店内に喫煙室を作り、完全禁煙店と言っているお店が沢山あります。私の家の近所にフォルクスというハンバーグやステーキをメインに扱っているチェーン店があります。フォルクス鶴見寺尾店
サイトを見ると完全禁煙とは書かれておらず、全席禁煙(禁煙ルーム有)と記載されています。これを読むと喫煙ルームというものがあるみたいだけど、お店でタバコの臭いを嗅がされたり臭いが服や髪の毛に付くことはないだろう、と思う人が多いと思います。
でもですね、フォルクス鶴見寺尾店の禁煙ルームはお店の入り口を入って数歩真っ直ぐ歩いた右側にあります。さらに数歩歩くとトイレがあります。
禁煙ルームと店の入り口が近いので店に入った時に禁煙ルームを出入るする人がいると普通にタバコ臭いです。喫煙ルームに人が多い時は煙も流れ出てきます。入り口付近にいても運次第でタバコ臭をくらいます。
トイレに行く時は必ず禁煙ルームの前を通る必要があるので、運次第でかなりのタバコ臭やタバコの煙を浴びる可能性があります。
喫煙ルーム案を作った人、決裁した人はおそらく喫煙者なのでしょう。受動喫煙やタバコの臭いのことを知っている人が全ての客が出入りをする店の入り口近くに禁煙ルームを作るはずがありません。もし非喫煙者が決めたのでしたら、本当のバカです。
どうして喫煙者に媚びるのか
お店を完全禁煙店にするにあたり、喫煙ルームを作ったり店の入り口付近に灰皿を置く理由は何なのでしょうか。お店の完全禁煙化は客層を入れ替えることです。喫煙者には店に来ないでくれ、来るなら店内はもちろん、店の前や駐車場などではタバコを吸うな。吸うなら自分の車の中で窓を閉め切って吸え。
これくらいの覚悟がなければ完全禁煙店ではないですし、喫煙者に媚びるのであれば禁煙化なんてやめてしまえばいいのです。タバコの煙が嫌いな人と食事時間すらタバコを我慢できない人の両方に好かれるお店なんてありえないのです。
両方の人に好かれようとしたり、媚びようとすると両方から嫌われてしまうのです。どっちの味方なのか、何をしたいのかをハッキリとするべきです。今時中途半端なことをして生き残れると思っていたら大間違いです。そんなに甘くありません。
串カツ田中も中途半端
完全禁煙店を増やすことで業績が好調である串カツ田中も実は喫煙者に媚びているダメなお店です。完全禁煙店のお店の入り口に灰皿を置いているお店がとても多いのです。夜の食事時は入り口でタバコを吸っている人が多く、お店の出入りをする時はタバコ臭を嗅ぎ、服や髪の毛にタバコ臭を付けて入店する必要があります。帰りも全く同じです。
喫煙者にとっては大げさと思われることだと思いますが、店の入り口でタバコを吸っている人がいるとそれだけで店に入りたくなくなる人、店に行く気がなくなってしまう非喫煙者は非常に多いのです。
店の前に灰皿を置くことで喫煙者は来店しますが、非喫煙者は完全禁煙店になったとのニュースを聞いて店に来ても、入り口のモクモクを見て2度とお店に来ることはなくなってしまうのです。
店の入り口の灰皿をなくすことで喫煙者の客が減るので短期的には客数も売上も減ると思います。しかし店外も含めて完全禁煙店になることで非喫煙者の客が増え、必ず灰皿を置いていた時より売上高が増えます。
もちろん料理や飲み物が美味しいというのが大前提です。タバコをやめた私だからわかることですが、喫煙者と非喫煙者の味覚の鋭さは桁が違います。喫煙者にはわからない味の違いが非喫煙者にはわかるのです。
美味しいものはより美味しく感じられ、まずいものはよりまずく感じる。それが非喫煙者なのです。味に自信があるのであれば、禁煙ルームも入り口の灰皿も全部なくしましょう。喫煙者に媚びる経営はもうやめましょう。
経営者であるあなたが喫煙者であるならば、まずあなたがタバコをやめましょう。禁煙なんて簡単です。禁煙もできない飲食店の経営者なんて、ハッキリ言って存在が迷惑です。
非喫煙者の言い分がわかがわからないと思っている喫煙者の経営者はまず自分がタバコをやめるところからスタートです。
禁煙は本当に難しいのか?の話