業種を問わず、数人以上従業員がいる会社は毎月かなりのコストがかかっています。
どのようなコストがかかっているか、考えたことありますでしょうか。
給与や家賃、社会保険料、駐車場代など。
自分のやっている仕事の売上金額はなんとなくわかっていることが多いと思いますが、コストがどれくらいかかっているか考えたり、知っている人は少ないと思います。
製造業であれば1ヶ月に自分が作っている部品の金額と自分の給与の金額を比べて、建設業であれば完成した現場の売上金額と自分の給与の金額と比べることがあると思います。
売上金額イコール儲けや利益ではないことはわかっていても、売上金額に対する仕入や外注加工費などの原価まではある程度想像することができても、その他の経費などもを含めるとその仕事でどれくらい利益が出ているのか、本当に給与の額より利益金額の方が多いのかはわからないことだと思います。
製造業や建設業の現場で働く従業員は原価のことや、その他の経費のことなど考えずに不満を持っている人がいます。
売上から仕入などの原価を引いた利益は自分の給与の額より圧倒的に多い金額だと思います。
売上から仕入などの原価を引いて残った利益から給与だけでなく家賃や社会保険料、光熱費や通信費、機械メンテナンスにかかる費用など、自営業や会社経営をしたことがない人には想像がつかないくらいの費用を負担する必要があります。
従業員にこの金額を想像しろ、考えろと言っても会社経営をしたことがない人にそんなことがわかるはずもなく、不満が増すばかりで意味がありません。
このような不満点を解消するためには経営状況を従業員にオープンにする必要があると思います。
どこまでオープンにするかは会社によりケースバイケースではありますが、従業員が不信感を持たないところまではオープンにするべきだと思います。
一般的には零細企業、家族経営的な会社は秘密主義です。
今までは秘密にしておくことが良いという意見が多く占めていました。
無知な人を無知のまま、機械の代わりのような形で使っていくのならその方が良いと思います。
しっかり目的意識を持ってもらい、試行錯誤を繰り返しながら高いモチベーションで仕事をしてもらうためには考えてくれる人が必要になります。
今は調べようと思えば簡単にネットで調べられます。
社長が言った言葉、社長の家族である役員が言った言葉、その言葉からいろいろと調べて想像を膨らませていることもあると思います。
会社の売上金額、仕入や外注加工費などの主な原価金額、主な費用の金額と利益の金額。
ここまではオープンにしても問題となることは少ないと思います。
従業員が一番知りたいのは社長の給与の額とその他役員の給与の額です。
零細企業や中小企業で社長の給与などをオープンにしている会社はほとんどないと思います。
社長の給与や役員の給与をオープンにすることのデメリットとして考えられるのは
・金額を聞くと従業員のモチベーションが下がってしまうこと。
・他社に社長の給与額などが漏れてしまうと価格交渉時に影響が出る可能性があること。
なかなか一般的には難しいことではありますが社長の給与や役員の給与の額は従業員に堂々と言える金額にするべきです。
高額であっても、その金額に見合っただけの仕事をしているのなら何も問題ありません。
社長や役員の給与を決める時は仕事内容と仕事量だけの問題でなく、会社の利益や税金のことを考えることが多いです。
社長の給与の金額が多くても会社にお金が足りない時は社長や役員が会社にお金を貸すことになります。
資金繰りが苦しい時は給与を全く取れない時も多々あります。
そのことも含めて従業員にしっかりと説明をしていく。
この部分をオープンにすることで従業員の入れ替わりはあると思いますが、ここをオープンにした状態で一緒に頑張ってくれる社員はとても心強くて、優秀かどうかは別として頑張ってくれる人だと思います。
社長が乗っている車や平日昼間のゴルフの頻度、派手な飲食行為が従業員から不満を持たれることがあります。
自分が稼いだお金で社長が遊んでいる、私腹を肥やしているとの気持ちやイメージがあるのだと思います。
実際に遊んでしまっている時もあるかと思いますが、通常は仕事を請けるために必要な行為のはずです。
経営者の感覚と従業員の感覚は交わることがないくらいが違いますので、誤解を受けないように細心の注意を払いながら、そして隠すべきところはしっかりと隠して、説明すべき点は説明していくべきです。
この部分を適当にしてしまうことで、従業員が誤解してしまうことが多くなり、従業員のモチベーションが落ちていってしまいます。
あまり手間をかけなくても、やり方をしっかりとするだけで解決することが多いので、少し面倒であっても従業員からどう解釈されるかは考えて行動すべきです。
一番良いのは行動をオープンにすること。
平日の昼間に外出先や誰と何をしているのかを予定表などに書いてフルオープンにしてしまうことです。
夜の飲食など、どこまでオープンにするかはケースバイケースだと思いますし、従業員に媚びる必要はありませんが上手くオープンにすることで従業員のモチベーションを下げさせないで済むやり方があると思います。
基本的には行動の情報はフルオープンにしてしまうのが一番不満を持たれることなく、堂々と仕事の指示等をしやすい状態になると思います。
意味ある機密事項は別ですけどね。
社長の車に対する不満は、従業員の難癖的な場合が多かったりしますが、その車を乗っていることが従業員から不釣り合いとか不満に思われないような経営手腕と対応が必要です。
車くらいで、と経営者の人は思うと思いますが、車への不満を持っている従業員はかなり多いです。
理不尽な不満であることが多いですが、そう思われている可能性は考えておくべきだと思います。
いろいろな事情がありオープンにできない場合が多いですが、可能な限りはオープンにして、その分しっかりと働いてもらう。
オープンにすることで経営者の心構えも引き締まり、いい加減な時間とお金を使うことが減りますし、従業員との信頼関係が増します。
経営者の給料や行動をオープンにするということ、従業員にとっては毎日の仕事、作業を全て監視カメラで監視、録画されるのと同じというくらいの重さを感じてもらいたいです。
いろいろオープンにしようとすると、オープンにしたくないと思う部分があると思います。
まずはオープンにしても大丈夫な行動を普段からするところからスタートです。