年末調整書類はこれだけ書けば十分!の話

年末調整
今日、生命保険会社から生命保険料控除証明書が届きました。年末調整や所得税の確定申告に必要な書類です。年末調整に使う場合は11月から12月、確定申告に使う場合は来年の1月から3月に使うことになる書類が10月1日に到着。
10月中旬にかけて生保、損保共に控除証明書が届くことになります。どうして10月下旬や11月上旬をターゲットにして控除証明書を送ることができないのでしょうか。こんなに早く送るからなくしてしまう人が多く、再発行の手間や問い合わせに膨大な手間がかかってしまうのではないでしょうか。

年末調整書類は少し書けば十分

年末調整の主な書類は給与所得者の扶養控除等申告書と保険料控除申告書です。丁寧に全ての項目を記載する人もいますが、実は記載が必要な場所は少しだけなんです。年末調整書類は必要最低限の場所だけに記載することを強くオススメします。理由は最後に書きます。

扶養控除等申告書の書き方

扶養控除等申告書
クリックすると大きな画像が開きます。
給与所得者の扶養控除等申告書に記載が必要な箇所は下記の部分だけです。上記画像に赤丸を付けた部分です。
・あなたの氏名(フリガナは読み間違えられる可能性がありそうな時は記載した方が良いです)
・あなたの住所又は居所
・あたなの生年月日
・世帯主の氏名
・あなたとの続柄
・配偶者の有無
・源泉控除対象配偶者の氏名と生年月日
・控除対象扶養親族(16歳以上)の氏名、あなたとの続柄、生年月日、老人扶養親族の場合同居か否か、特定扶養親族であるか否か
・障害者、寡婦、寡夫又は勤労学生部分
・16歳未満の扶養親族の氏名、あなたとの続柄、生年月日

保険料控除申告書の書き方

保険料控除申告書
保険料控除申告書に記載が必要な箇所は下記の部分だけです。上記画像に赤丸を付けた部分です。保険会社の名前は正式名称で書く必要はありません。長い正式名称で書くと、書く人も読む人も面倒なので略称で書きましょう。国民健康保険料も国保と略して全く問題ありません。
・一般生命保険料部分の保険会社等の名称(略称で書く)、新・旧の区分、あなたが本年度中に支払った保険料等の金額、新保険料等の金額の合計額、旧保険料等の金額の合計額、その先の赤丸部分
・あなたの氏名
・あなたの住所又は居所
・介護医療保険料と個人年金保険料も一般年金保険料と同じ
・生命保険料控除額計
・地震保険料控除の保険会社等の名称(略称)、JIS院保険料又は旧長期損害保険料区分、あなたが本年度中に支払った保険料A、地震保険料の金額の合計額、旧長期損害保険料の金額の合計額、地震保険料控除額の計算式部分(赤丸部分3箇所)
・社会保険料控除部の社会保険の種類(略称推奨)、あなたが本年中に支払った保険料の金額、合計(控除額)
・小規模共済等掛金控除部分にそれぞれのあなたが本園中に支払った掛金の金額、合計(控除額)
これだけではありますが、文章にすると沢山になってしまいました。しかし赤丸部分にも毎年長々と書き込んでいた人が多いのではないでしょうか。赤丸部分以外は書いても全然意味がないのです。
今年の年末調整書類はこれだけの記載で会社に提出してみてください。赤丸部分も書けと書類が戻ってきた場合は担当者はバカです。ぜひ試してみてくださいw

年末調整書類の意味

文字通り、会社が年末調整の計算をするための書類です。そして会社には従業員の所得税を計算して管理をする義務があります。管理のために控除証明書に基づいた書類保管が義務付けられています。
赤丸部分は書かなくてもわからなくても年末調整の計算をすることができます。ハッキリ言って保険会社名を間違って記載しても略称であってもどうでも良いのです。保険会社の合併が相次ぎ、会社名が長くなったことで年末調整書類に書くのが大変との記事や書き込みが沢山あった時がありました。
しかし正式名称を書く必要はなく、書くだけ時間の無駄なのです。年末調整の処理をする人は書かれてしまったら入力しないわけにいかないと思う人が多く、余計な入力業務や小さくて読みにくい長い会社名を読んで処理をすることで間違える確率が高くなります。
年末調整、合っているか自分で確認計算したことある人っていますでしょうか?実はけっこう間違いが沢山あるんです。間違えても気付く人がほとんどいないので、かなり適当な処理になっています。
赤丸部分を書かなくても良い大きな理由として、会社に税務調査が入った時に年末調整書類の内容確認をされることがあります。一番大きなチェックポイントは実在する人物かどうか、架空の人経費ではないかのチェックです。
勤務先の会社への税務調査時に保険料控除申告書の内容の確認をされた場合、記載された内容ではなく添付された控除証明書を確認します。最初から知識のない人が書いた書類なんて見向きもしません。元の控除証明書を確認するのです。
元の控除証明書を確認するので保険料控除申告書に保険会社の長ったらしい会社名を書く必要は0なのです。保険の種類や契約者、受取人も書いても書かなくても全く変わりません。年末調整の計算には全く影響しませんし、税務調査で問題になった場合はどう記載してあっても元の契約内容を確認されます。
保険料控除に関しては契約者と被保険者と保険金受取人がどのようになっているかで、保険支払い事案が起きた時に税額に大きな差が発生します。生命保険に関しては年末調整よりも保険支払い案件発生時に大きな問題が発生してしまうことがあるので、近いうちに年末調整の件とからめて、もっと深く保険のことを書きます。

この記事を書いた人

山口 健一

20年以上会計事務所で勤務し、20件以上の税務調査経験があります。

これだけの経験がある私だからこそ税理士との交渉をスムーズでわかりやすいものにするお手伝いをすることができます。

税務、法務、労務など会社経営に必要な全て業務知識を網羅しており、私が可能なことは私が対応をし、専門家に依頼すべきことは適切な専門家に依頼、仲介をすることができます。