贈与税と聞くと大げさな感じがして自分には関係がないと思ってしまう人が多いと思います。
贈与という言葉をプレゼントと置き換えるとどうでしょうか。
金額の大小はともかくとしてプレゼントをしている人は多いと思います。
110万円までは贈与税がかかりません。ということは110万円以上のプレゼントには贈与税がかかるということになります。
現金も商品券も宝石も車もマンションも1年間に110万円以上プレゼントしてしまうと贈与税の対象となります。
そんなことを気にしてプレゼントをしている人はあまりいないと思います。
バレなければ贈与税を支払わなくて済むので、本当は支払い義務があるにもかかわらず逃れてしまっている人も多いと思います。
税務署にバレてしまうのはどういう時か
愛人へのマンションや車をプレゼントして名義を愛人名義にしてしまうとバレます。
不動産はバレます
土地や建物の名義変更は税務署の職員が法務局でまめにチェックしています。
名義の変更があると怪しいと思っても思わなくてもお尋ね文書を送ってきます。
このお尋ね文書は不動産購入資金を全て記載することになっているのでマンションをプレゼントされたらすぐにバレてしまいます。
頭金がいくらで、どこからいくら借りて、何年で返済することになっているのかを記載することになります。
プレゼントをしてもらった場合は全てを自己資金でと返答するしかありません。
収入と比べて高額の自己資金だった場合はしっかりと税務調査が入り全てがばれてしまいます。
名義変更をしてのマンションプレゼントはほぼバレます。
名義を自分にしてマンションを買って愛人にプレゼントをすれば贈与税の対象になりませんが、諸々の関係書類が住民票のある自宅に届いてしまい家族にバレてしまう危険性が非常に高いです。
愛人にマンションなどの不動産をプレゼントする場合は絶対に名義を愛人名義にしてはいけない、そして諸々の書類が自宅に届かないように念入りに工作する必要があります。
車はバレてしまうこともあります
不動産だけではなく車も税務署にチェックされています。
定期的に陸運で学生などが高級車を取得していないかチェックしているのです。
不動産の名義変更はほぼ全ての人にお尋ね文書を送りますが車の場合は怪しいと思った人にだけお尋ね文書を送ります。
親子間であっても夫婦間であっても関係は問わず年間に110万円のプレゼントをした場合は贈与税の対象となります。
学生など収入のない子供に車をプレゼントする時は名義は子供名義にしてはいけません。
子供名義にすると贈与税の対象となってしまいます。
おかしな保険契約もバレます
保険の場合はプレゼントのつもりも脱税のつもりも全くないことが多く、契約者と保険外交員両方が知識不足過ぎることで起きてしまうことがあります。
保険の契約者と受取人が違う場合の満期保険金の受け取りは贈与になります。
自分が契約者で満期返戻金の受け取りが妻になっていた場合、110万円以上の満期返戻金があると贈与税がかかります。
保険金支払い時は支払調書という書類を税務当局に提出する義務が保険会社にはあります。
誰が契約していた保険に関して誰にいくら保険金を支払ったかという書類が税務署に提出されます。
保険金の支払いがあった時点で税務署にバレてしまうということです。
300万円の贈与税の対象となる満期返戻金を受け取ってしまい、そのことをなくそうとして現金で300万円返金した場合・・・残念なことに贈与が2回あったものとして倍額課税されてしまいます。
バレないプレゼント
基本的に他のプレゼントはバレません。
登記とか陸運局での登録など公に登録が必要なもの以外は税務署ばれることはありません。
現金や商品券を渡してもバレません。
しかし相続があると全ての預金口座の動きを税務当局に見せなくてはいけないことがあるので、現金の贈与などがあった場合はバレる可能性が非常に高いです。
数百万円単位でお金をおろした形跡があった場合、使途を厳しく追及されます。
記憶にない!で誤魔化せると思ったら大間違いです。
泣きそうなくらい、眠れなくなるくらい厳しく追及され吐かされます。
贈与税の対象にならないプレゼント
国税庁のサイトに贈与税がかからない場合の説明が書かれています。
全ての件、素人か勝手に解釈をすると危険ではあるのですが、特に8番の影響が一番大きいと思います。
8 個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物又は見舞いなどのための金品で、社会通念上相当と認められるもの
お祝いや香典などは贈与税の対象にならないとの説明です。
お祝い金、香典、結納金、婚約指輪などがこの8番に該当します。
このことから結納金や婚約指輪などは贈与税の対象にならないと結論付けているサイトが多く見受けられます。
ポイントは社会通念上相当と認められるもの
この部分です。結納金や婚約指輪など、いくらでも贈与税の対象にならないというわけではないのです。
これはお祝い金も香典も8番に書かれているもの全てに関しての話です。
社会通念上相当と認められる金額とはいくらなのかは決まっていません。グレーです。
特に香典やお祝いなどは一般の人達と上場企業の役員や芸能人などとでは普通と呼べる金額が全く違います。
一般人の場合
どの程度の人を一般人とくくるかは難しいところですが、給与収入が2千万円以内で、自宅以外に不動産を持っていない人達のことをここでは一般人として書きます。
一般人の場合はお祝いや香典や婚約指など、8番に該当する物全てが年間に110万円を超えると贈与税の対象になってくると思います。
一般人が200万円の香典とか200万円の婚約指輪などは本人の自由ではありますが、社会通念上相当とは言えません。
通常は110万円を超えないもの
お祝いや香典や婚約指輪に関する贈与税のことを書いているサイトは、8番に書かれていることを根拠として贈与税の対象とならないと書いているサイトが大半ですが、誤った書き方だと思います。
一般人がお祝いや香典で1人に対して贈与税の非課税枠である110万円を超えることなど普通はないので、お祝いとかは贈与税は関係ないよね!という話が正解です。
結納金の場合
結納金は110万円を超えることが多々あると思いますが、お金の使い道が家具などの新しい生活に必要な物を使うことに使われる場合は贈与税の対象になりません。
現金として余ってしまったり、不動産購入資金に使ってしまった場合は贈与税の対象となります。
結納金は贈与税の対象外と考えてしまうとかなり痛い思いをしてしまうことになります。
婚約指輪の場合
一般人であっても300万円程度の婚約指輪をプレゼントしても贈与税を課税されてしまうことはないと思います。そもそも税務署にバレることもありません。
バレてしまうパターンとしては、結婚してから比較的早く亡くなってしまい相続が発生してしまった場合。
この場合はお金の動きを過去数年間は追われてしまうので、婚約指輪代が相続税逃れのための贈与と指摘される可能性があります。
高額な婚約指輪や結婚指輪を贈った場合は贈与税の対象にならないためには結婚した後は長生きしましょう。
早く離婚をしていしまうと、財産分与を上手くやらないと税務調査が入る可能性がありますが、一般人はこのケースは少ないと思います。長生きすればまず大丈夫です。
贈与税の目的
元の考え方は相続税逃れと財産隠しを防ぐためにあるのが贈与税です。
そのためだけではないのですが、相続税逃れを防ぐために相続税以上の高い税率を掛けて理不尽な相続税逃れを阻止することが大きな目的の1つになっています。
そのため婚約指輪や結納金であっても相続税逃れに使うとバレます。
結納金だから、お祝い金だから贈与税は大丈夫と変な思い込みがあると引っかかります。
だいたいこの件に関して税に詳しい人はほとんど書いていません。
グレーすぎて、ケースバイケース過ぎて書くことが非常に難しい項目なのです。
書いているのは結婚のことを書いている無責任な適当なサイトばかり。
ググっても贈与税の対象にならないから大丈夫!という感じで、ほぼ同じ内容しか出てきません。
どうして会計事務所や税理士がこの件に関して断定的なことをネットで書いていないかどうかをしっかりと考えて判断してください。
皆さんが思っている以上に贈与税に対しての対応は厳しいです。