京葉線はなぜ風が強い高所を走っているのか?の話

京葉線
すでに作られてしまっている鉄道や高速道路。非常に便利ではありますが、どうしてそのような作り方にしてしまったのか疑問を感じる物が数多くあります。
今さら作り直すわけにもいかず、簡単に補修して改善することも難しいのでずっとこのままの状態が続いてしまいます。
どうして作る時にもっと考えて作ってくれなかったのか、今やなくてはならない存在になってしまっているだけに残念で仕方ありません。
私が気になっている残念な電車のことを書きます。

京葉線

東京駅から千葉県の蘇我駅まで43キロの区間を走っている電車です。通勤時に非常に混雑が激しい路線であるだけではなく、沿線には葛西臨海公園がある葛西臨海公園駅、東京ディズニーランドとディズニーシーがある舞浜駅、幕張メッセやZOZOマリンスタジアムがある海浜幕張駅などの大きな観光施設等があり、近くを走る代替路線がないので運行が止まってしまうと非常に多くの人が困ってしまいます。

京葉線の問題点

強風とわかっていながら高所に線路を作ってしまったこと

どうして風が非常に強いことがわかっていて地上に、それも高い位置に線路を作ったことは致命的な大失敗です。東京駅から越中島駅までは地下を走り、潮見駅から終点の蘇我駅までは地上を走ります。
ちょうど地上を走る潮見駅から蘇我駅は非常に風が強いエリアです。開業当初から強風の影響で電車が止まる止まる。2007年から2012年までに強風による運転見合わせは48回もありました。強風以外にもトラブルが多く、よく止まる電車なので全ての運転見合わせ回数は相当多いはずです。全見合わせ回数が書かれているソースは見つけることができませんでした。

防風柵設置で少し風に強くなりました

あまりにも強風の影響で運行停止になってしまうことが多いので、2007年から一部の高架橋に防風柵を設置。さらに2010年以降も防風柵の設置を続け、2012年10月末には全面的に防風柵の使用を開始しました。
防風柵の設置をしたことで運転見合わせになることが9割減したと報道されていました。
JR京葉線、「風に弱い」返上 防風柵で運転中止時間92%減
改善したとの良い意味での報道になっていますが、当初から非常に風が強い地域ということはわかっていたことです。最初から防風柵を設置しなかったことは致命的なミスであり、それどころかあの場所に電車を走らせたことが大きなミスです。

地下鉄ができなかった時点で作らなければ良かった

本来であれば全線地下鉄にするべき電車です。地上を走らせなくてはいけない区間はなるべく低い位置を走らせるべきです。地下も低い位置も絶対に無理という状況でしたら路線を作らないという選択もあったと思います。
非常に不便になってしまっていた可能性がありますが、最初からなければ京葉線ありきの開発はされていませんし、他の路線なりバスなり今と違う何らかの交通手段が新しくできていたはずです。それが京葉線を作ってしまったことで他の路線が作られる可能性がなくなってしまいました。
作られた京葉線は上記のように欠陥だらけで止まってばかり。防風柵を作ったことで当初と比べれば運転見合わせになることが減りましたが、それでも現在も少し風が吹けばすぐ止まる。首都圏で一番すぐ止まる電車という状態は変わっていません。

代替路線がないこと

京葉線が止まっても総武線や東西線があるから良いのではないか、と書かれた記事もありました。
しかし京葉線の葛西臨海公園駅から東京メトロ東西線の葛西駅まで約4キロ、徒歩で50分程度。京葉線の舞浜駅から東京メトロ東西線の浦安駅までは約4キロ、徒歩50分程度。
海浜幕張駅から総武線の幕張駅までは約2.2キロ、徒歩で30分程度。比較的近距離ではありますが幕張メッセから海浜幕張駅まで徒歩で10分くらい、ZOZOマリンスタジアムから海浜幕張駅まで徒歩で20分かかることを考えると、総武線の幕張駅までの徒歩移動もかなりしんどくて大変です。
首都圏で電車が止まり別路線へ移動するのにこの距離と時間は無しだと思います。京葉線が止まる時は強風の時が多く、少しでも雨が降っていたらとても歩ける距離と時間ではありません。総武線も東西線もとても代替交通機関とは言えない状態です。

京葉線沿線のバスの運行状況

新木場駅と海浜幕張駅でしか京葉線に止まられてしまったことはありませんが、新木場駅も海浜幕張駅もバスもタクシーも壊滅的で移動なんてできない状態でした。バスもタクシーも並び方が強烈で、1時間以上は乗れそうな気配がないので全く並ぶ気にもなりません。
新木場駅のタクシー乗り場の異常なくらいの並び方、周辺でタクシー探しをしている人の数の多さから、他の京葉線駅へ移動できるバスはないか、あったとしてもほぼ使い物にならない状態なのだと思います。
海浜幕張駅近くからは幕張本郷を通るバスがありますが、幕張本郷駅から東京方面の電車に乗ると歩きで幕張駅に行った人がすでにいっぱい乗っていて、かなり混雑をした電車に乗ることになります。
幕張でのイベント後に京葉線が止まっていた場合、幕張駅まで歩くと最悪でも電車1本待てば座れることが多いです。しかし幕張本郷までバスで行ってしまうと絶対に座れません。幕張駅まで歩くのは少し大変ですが、悪天候でない時は幕張駅まで歩いてしまった方が後のことを考えると楽です。
ディズニーランドからの帰りも地獄ですね。なんで日本有数の観光スポット近くを走っている電車が日本有数のダメ電車なのでしょうか。首都圏に住んでいる人は京葉線のダメっぷりを知っている人が多いので、ディズニーランドに行った時は京葉線の運行状況を気にしますし、止まっていたら終日動かない可能性も覚悟しますが、地方から来た人はまさかディズニーランドの近くに走っているのがこんなダメな電車だと思わないので衝撃を受けるはずです。
もうすでに衝撃を受けた人がいっぱいで全国的に京葉線のダメっぷりは有名になっているような気がしますが。

京葉線はどうすれば良かったか

やはり最初からこの路線は作らなければ良かったのです。作るのであれば地下鉄。地下を走らせることができる時まで作らないのが正解でした。おそらく昔も今も京葉線を地下に走らせることは無理なのでしょう。だったら作るべきではなかったのです。
完全に後だしジャンケンなのでいくらでも好きなことを言えるずるい状況ではありますが、強風が吹くことが多いあの海沿いのあそこを、それも高い位置を電車で走らせるなんて。何かおかしなお金の力などがあったのでしょうか。計画した人、決行した人もまともとは思えません。
今の状態は開業当初と比べて運転見合わせが9割減っている状態です。そんな状態になることをわかっていての開業、絶対におかしいです。きっと何かがあったのでしょうねw

この記事を書いた人

山口 健一

20年以上会計事務所で勤務し、20件以上の税務調査経験があります。

これだけの経験がある私だからこそ税理士との交渉をスムーズでわかりやすいものにするお手伝いをすることができます。

税務、法務、労務など会社経営に必要な全て業務知識を網羅しており、私が可能なことは私が対応をし、専門家に依頼すべきことは適切な専門家に依頼、仲介をすることができます。