昔は会社に登記された情報が記載された書類は登記簿謄本と呼ばれていましたが、法務局の電子化と同時に履歴事項全部証明書と名称が変わり、見た目も大きく変わりましたが記載されている内容はほぼ同内容。
会社名、本店住所、会社設立の日、会社の目的(会社の事業内容)、資本金の額、役員の氏名、代表取締役の住所。
これらのことが記載されている履歴事項全部証明書は法務局に行けば誰でも入手可能です。新規で取引をする会社の履歴事項全部証明書は必ず確認しておくべきです。
履歴事項全部証明書には社長の住所が記載されています。社長が持ち家であるという話をしている場合、それが本当かどうかを不動産登記で持ち主が本当に社長であるかどうかまで確認すべきです。
不動産登記は住居表示でなく地番で申請する必要がありますが、今はググれば簡単に調べることができるので取引先社長が持ち家であると話している場合は必ず真偽を確認しておくべきです。
会社の目的
会社の定款(会社の憲法のようなもの)にも記載されている会社の目的も履歴事項全部証明書に記載されています。その会社の目的、事業内容です。
履歴事項全部証明書に記載されている目的は誰でも見ることができる項目なので、新規取引先はもちろん、現行の取引先に見られても問題のない内容、恥ずかしくない内容にしておくべきです。
私の会社の目的
私の会社、有限会社いちかの現在の目的は下記の通りです。
1 自動車、自動車部品および自動車用品の販売
2 家庭用電気製品の販売
3 有価証券の売買
4 書籍の販売
5 治具、工具の販売
6 食料品の販売
7 飲食店の経営
8 日用品雑貨の販売
9 前各号に付帯する一切の業務
全く私の仕事内容とは関係のないことばかり。
それどころは全く私の仕事と関係のないことしか書かれていません。
このようなことになっている理由は2006年に会社を買収しまして、その買収をした会社の会社名と本店所在地を変えただけで目的は変更せずに13年間も放置し続けた結果なのです。
自分で議事録や申請書作成は簡単にできてしまうので手間というほどではなかったのですが、なんとなく放置しておいたら13年も経過してしまいました。
新しい会社の目的
最近金融機関から何をしている会社だかわからないからいい加減に変えろ!とお叱りを受けたことをきっかけに目的の変更登記を今日してきました。
変更後の有限会社いちかの目的は書きの通りです。
1 会計コンサルティング業務
2 経営コンサルティング業務
3 IT事業に関するコンサルティング業務
4 ウェブサイト及びウェブコンテンツの企画、デザイン、制作、運営、管理及びコンサルティング業務
5 EC(電子商取引)サイトの企画、制作及び運営並びにそれらに関するコンサルティング業務
6 コンピュータ、その周辺機器、関連機器及びそのソフトウェアの利用に関するサービスの提供並びにコンサルティング業務
7 ビジネスマッチングに関する業務
8 前各号に付帯する一切の業務
自分の会社の履歴事項全部証明書、目的など見る機会など全くないのですが目的を実態に合わせることができてスッキリしました。
取引先の会社で私の会社の履歴事項全部証明書を見る人はほとんどいないと思いました。
これでやっと誰に見られても違和感を持たれない状態になりました。
今日登記申請をして、問題がなければ3月4日午後から新しい内容が反映される予定です。
履歴事項全部証明書の閲覧と取得
現在事項証明書のPDF取得サイト
法務局に行き取得するのが原則ですが履歴事項全部証明書をPDFで取得できるサイトがあります。
登記情報提供サービス
このサイトからは会社名や住所で会社を検索することができ、その会社の「現在事項証明書」をPDFファイルで取得することができます。
履歴事項全部証明書と現在事項証明書との違いは、履歴事項全部証明書は役員や会社名など全ての変更点や変更年月日が表示されるのに対して現在事項証明書は現状しか確認することができません。
変更履歴は確認できませんが、パソコンがあればその場ですぐに現状を確認できるのでとても便利なサービスです。
このサービスは商業登記だけでなく不動産登記情報も入手することが可能です。
ネットで履歴事項全部証明書を請求するサービス
こちらはネットから履歴事項全部証明書を郵送で発送してもらえるサービスです。
金融機関などに原本を提出する必要がある時にとても便利なサービスです。
登記・供託オンライン申請システム
このサイトはファイヤーフォックスでは「安全な接続ではありません」と表示され利用することができません。クロームを使って利用してください。
これを機会に怪しいと思っている会社の履歴事項全部証明書の確認をしてみてください。