零細会計事務所の最近30年の流れ!の話


会計事務所の業務内容は最近15年くらいで大きく変わったと思います。
15年くらいで変わったのは会計事務所だけでなく、どの業種も同じですよね。
今はパソコンを使い、会計ソフトへデータを入力して試算表もしくは決算書を作成して所得税確定申告ソフトに入力して確定申告書を作成する。
ほぼ流れとしてはこんな感じだと思います。
オフィスコンピューターと呼ばれるもの、いわゆるオフコンとしての会計専用機は昔からありましたが、30年くらい前までは全て手書きだった会計事務所がほとんどだったと思います。
30年前というと1988年。
ウインドウズ95が発売される7年も前のこと。
手書きの時代は私も知らない時代です。
領収証や請求書などの帳票を元に手書きで元帳を作成して、試算表を作っていく。
サービスの提供というよりも工賃ですよね。
ひたすら集計業務に時間とお金がかかり、請求する対価の内容はこの作業量が大半を占めていたと思われます。
この時代、私は知らないので推測で書きましたが、きっと合ってます。
25年くらい前の1993年頃、だいぶ会計専用機であるオフコンが普及してきたと思います。
詳細は覚えていませんが1台につき500万円以上はしていたと思います。
25年前のこの頃は領収書をひたすらオフコンである会計機に入力。
ウインドウズ95以前の話なので黒い背景に白文字と白数字だけの画面。
昔ながらのコンピューターという感じ。
この頃から私は知っているのですが、領収証と請求書、レシートとの格闘でした。
不動産など資産売買である譲渡所得はお金を持っている人が相手だったので手間に見合った報酬をもらえることが多かったですが、個人事業主の確定申告業務はただただ領収証の塊との格闘。
当時はバブルがはじけた直後ではありましたが、今と比べれば単価の良い仕事が多く、作業量と作業の質に対する対価が良かった時代です。
社員として働いていた人が独立して個人事業主となり、数年仕事をして会社を設立する。
この流れが基本だったので個人事業主への報酬は安めにしておいて、しっかりと稼ぐことができたら会社を設立してもらい安定的な顧問料を徴収する。
会社を設立してもらい、毎月毎年安定した報酬をもらうことが確定申告をする一番の目的になっていたと思います。
基本的にこの流れを前提としていたので、独立した個人事業主の確定申告を割安でやっていました。
割安でやっていた分は会社設立をしてもらい、会社経営が軌道に乗ってから顧問料で回収という流れ。
今考えれば、しっかりと稼げる人と稼げない人とはしっかりと差別化するべきだったと思っています。
当時、私は勤務していた状態だったので決定権はありませんでしたが、手間と時間をかけるべき人とかけてはいけない人が完全に逆の状態になっていました。
稼げない、整理もできない、何もできない、お金のない人に手間と時間を費やし、逆に能力がある人に対して手間と時間をかけないという最悪の仕事のやり方をしていました。
この時の経験が今になりとても生きています。
当時、25年くらい前の会計機メーカーとして有名だったのはミロク、JDL、日本ICS、エプソン。
どこが良いというより全て慣れの問題で、金額も使い勝手も似たり寄ったりでした。
非常に高価でコストパフォーマンスが悪かったので、もちろん悪い意味での似たり寄ったりです。
パソコンではなく会計専用機だったので、できることは会計業務や申告書作成業務だけ。
あとは簡単なワープロ機能。
パソコンが復旧してからは機能が限定されていた会計専用機はコストパフォーマンスが悪くて最悪だったと思っていた時期もありますが、今考えてみると機能が限定されていることはとても素晴らしく、使いやすい機器だったと思っています。
300万円から500万円という金額を考えると、コスパが悪くて話になりませんがパソコンと違い極端にできることが限定されていた会計専用機や請求書発行専用発行機は数万円や数十万円程度であればコスパも使い勝手もとても良いと思います。
今のパソコンは余分な機能が多すぎて、何でもできるということが大きなデメリットになってしまっていて、一部の人以外には非常に使いにくい物になってしまっています。
Windows95が発売された頃はまだ会計専用機が全盛でしたがWindows98が発売されて1998年頃から少しずつ会計専用機からパソコンへのシフトが始まりました。
1998年頃は零細企業や中小企業向けの市販ソフトは弥生会計と勘定奉行と会計王。会計事務所向けにはエプソン販売からの財務応援くらいだったと思います。
他にエッサムという会計事務所向けの商品販売をしているメーカーなど、会計ソフトを販売しているメーカーがありましたが実用的な商品は他にありませんでした。
この頃から少しずつ自計化という言葉が出始めてきました。
会社が会計ソフトに入力をしてデーターを会計事務所へ送る。
会計事務所の記帳代行処理の手間と報酬金額を減らすことと、会計事務所の記帳代行メインという専門知識がいらない雑務を減らすことを目的とした自計化。
当初は全データのやり取りしかできず、会社か会計事務所が入力や修正をしている時は相手側は入力や修正をすることができずデータが届くのを待つしかありませんでした。
いつの頃からか修正した部分のデータだけをやり取りできる差分データ交換ができるようになり、今は会計データをクラウド上に置いてお互い好きな時名時にデータ入力をしたり修正をしたりすることができるサービスが主となっています。
双方が同時間に同時にデータ入力と修正をできる商品は非常に少ないですが、同時利用以外であれば特に問題なく双方でデータ入力や修正が可能になっています。
データのやり取りが必要でなくなったことのメリットは非常に大きく、設定変更などを会社に行かないでも直接できることはとても大きなメリットです。
これは会計ソフトだけなく給与ソフトにとっても料率変更などの設定変更、給与明細書、給与台帳作成や修正を会社に行かなくてもでき、電話やメールなどで作業方法の指示をしないで済むことでかなりの時間が節約できます。
月単位ではそれほどでなくても年単位で考えると、本来やるべきである仕事にかけることができる時間が相当多くなると思います。
会計事務所の仕事は領収証などの帳票を全て渡して、全て任せてしまう。
それはそれで合っていると思いますが、記帳代行部分は会計事務所でなくても安い単価の人でもできてしまう業務です。
実際に会計事務所に丸投げしても、領収証などの帳票をデータ化するデータ入力はデータ入力会社へ丸投げしていることも多く、安い会計事務所はかなりの確率で質が悪く安いデータ入力会社へ投げています。
会計事務所本来の仕事はデータ化された帳票内容を見てからの分析と判断です。
質の悪いデータ入力会社が入力したデータの信頼性はかなり低く、そもそもその部分で会計事務所としての仕事をする意味があるのかどうなのか。
ただ申告をするだけの業務になってしまうことが多いと思います。
データのクラウド化は会計事務所が本来の仕事をするために、会社としては会計事務所に本来の仕事をやらせるために必要なシステムだと思います。
会社で会計データや給与データの入力をするか、データ入力や処理を会計事務所や労務事務所に完全にまかせてしまうかどうか。
どの程度の規模で、どの程度の金額を払えばお互いにとってもメリットがあるか。
別投稿で詳細を書こうと思っています。

この記事を書いた人

山口 健一