あなたの1年分まとめて処理する確定申告がダメな理由!の話


2月16日から確定申告がスタートします。

これは納付が必要な人のスタート日であり、還付申告は1月1日からすでに受け付けがスタートしています。
申告期限は3月15日です。

早く還付金が欲しい人は早く申告しましょう

還付申告は早ければ早いほど還付が早く(当たり前のことですが)、遅くなれば遅くなるほど加速度的に還付時期が遅くなってしまいます。

3日遅れると1週間還付が遅くなる、だいたいそんな感じです。

還付申告の人はできれば1月中に、遅くても2月15日までに提出しておくと還付までの時間が短くて済むのでオススメです。

確定申告をする理由をどう考えているのか

税金の計算だけのための確定申告

確定申告をする人は複数の会社から給与をもらっている人や株やFXで損をしてしまった人などいろいろだと思いますが、今回は個人事業主の人のことを書きます。

フリーランスと呼ばれている人も個人事業主です。

皆さん何のためにどうやって確定申告をしていますでしょうか。

税額の計算のために、1年に一度収入金額と費用金額の集計をして申告をしている人が多いと思います。

会計事務所にお願いしている人は1年分の領収証や通帳コピー、請求書の控えをなどを送り税額計算をしてもらうという感じですよね。

ただただ税金計算をしてもらうためだけの依頼。

会計事務所に頼まず自分で申告をする場合も同じだと思います。

税金計算をするために集計作業をして確定申告をする。

どれくらい儲かったのか、儲かっていないのかがわかるのは1年に一度。

1年に一度計算したところで正確な数字が出てくる可能性は非常に低く、1年に1度しか計算をしない人が正確な数字を求めているとも思えませんし、思っていないですよね。

年に一度しか計算をしない人は自分の仕事がどの程度儲かっているのか、試行錯誤をすることで利益が変わっていくかということに全く興味がない人だと思います。

計算された金額が合っていても合っていなくてもあまりそこには興味がなく、興味があるのは税額が多いか少ないか。

多ければ悩み、少なければ嬉しいと思う。

仕事の単位ごとに利益の確認をしたい人と利益にあまり興味がなく、惰性のような感じでただ生きていたいだけの人。

収入金額に関しては契約時や請求時に把握できますが、その収入を得るためにかかった費用は集計しないと全くわからないと思います。

あと同じくらい大切なのはその収入を得るためにかかった時間の確認。

会計事務所に依頼する場合も自分でやる場合も1年に一度、年が明けてから処理をする人は自分の仕事の利益のことを考えていない人ということです。

人生設計の提案をしている人の確定申告

保険の外交員や保険代理店の人は営業時に人生設計や収支のことについて語ることが多いと思います。

しかし自分の収支についてはどんぶり勘定の人が非常に多く、毎月の収入については把握していても費用については全く把握できておらず。

支払いの領収証は1年に1度集計するだけ。

1年分の領収証の管理も適当なので行方不明になる領収証は数知れず。

そもそも1年に一度しか集計しない適当な性格な人が領収証をしっかり管理できるはずもなく、グチャグチャ状態になってしまうのは当然のことだと思います。

私の経験上、保険外交員の人だけでなくお金のことに関しての仕事をしている人の中で、理想の机上計算で強引に押しこんでくる人は自分の状態がひどいことが多いと感じています。

顧客に人生設計の提案をしておきながら、自分の収入と支出については無頓着で全く管理をしていない保険の外交員や保険代理店、FP。

そして激安会計事務所が好きな人が多いのもこのクラスタです。

確定申告のと仕事の利益の捉え方

自分の仕事の成果について興味があり、より良い仕事をしたいと考える場合は試行錯誤が必要です。

収益を増やすことだけが仕事の成果や良いこととは限りませんが、収益が増えるということは求められている仕事を上手くこなすことができているかどうかを判断する一番の材料になると思います。

能力があり、求められる仕事、喜ばれる仕事をしていれば収益が増えます。

収入は仕事の質を落としたり、商品が悪くても単価を安くして沢山売れば増やすことができますが、粗利益率が悪くなり差引利益は微々たるものになってしまいます。

自分の価値と仕事のやり方や方向性を確認するためには、少なくても仕事単位の利益か月単位の利益を確認すべきだと思います。

毎月利益を確認するためには会計事務所にお願いするしかないというのが現実だと思います。

会計処理が得意な人は別だと思いますが、普通の人が毎月利益確認するためにはできれば毎日、少なくても1週間に一度は会計ソフトへ収益と費用の入力業務をする必要があります。

規模にもよりますが月に1度だけの入力作業となると1度の作業量がかなり多くなるので、面倒ですぐに無理になります。

毎日や1週間に1度の入力業務、この時間とパワーは本業につぎ込むべきだと思います。

月1処理でも週1処理であっても自分でやることができるのは会計処理が大好きで得意な人か配偶者やパートナーの人が積極的に手伝ってくれる場合だけだと思います。

会計事務所に月々の処理を依頼する場合

なので会計事務所に依頼するのが現実的ですが、費用がかかります。

税金計算をしてもらうための依頼ではなく毎月の利益金額を確認するための依頼。

数日か1週間に一度、遅くても月が明けたら3日までに前月分の書類かデータを会計事務所に送り、可能なら7日か10日まで、遅くても15日までには試算表を作成してもらい前月の利益金額の確認をしたいところです。

業種や規模にもよりますが、基本的にはこのようなペースで確認作業をしながら仕事を進めていかないと良い結果を出すのは難しいと思います。

このペースで処理してもらうためには会計事務所への費用、当然相場より高くなると思います。

相場より安い会計事務所はやめておいた方が良いと思います。

しっかりとした処理をするには支払者が安いと思う金額では絶対に無理なのです。

会計事務所へ高い費用を払うためにはある程度以上稼ぐ必要があり、稼ぐためには自分の収益力の確認をする必要があり、鶏が先か卵が先かという感じの話になってしまいますが、まずは自分の収益力を生む力を確認して、試行錯誤を繰り返しさらに収益力を上げていくことが大切だと思います。

日々このような処理をしていれば、確定申告時にバタバタしたりせずに2月16日の確定申告スタート時には特別な手間はかからずに申告書が完成して、申告可能な状態になっているはずです。

私は確定申告のために利益計算をする人はダメな人だと思います。

大多数の人は1年に一度、一気に集計して確定申告の税額計算のために利益を計算しています。

自分でやる場合はものすごく手間がかかる割に間違いだらけでまともな利益金額を計算することができないと思います。

会計事務所に1年に一度確定申告だけをお願いした場合、報酬金額によりますが会計事務所としてはあまり嬉しくないことが多く、適当な処理をされることが多いと思います。

毎月の顧問料を払わず確定申告だけ依頼してくる人は儲かっていない、お金がない人が多く、そんな人は書類の保管状態が悪いことが多く。

領収証はグチャグチャに丸まっていたり、年度が違う領収証や仕事とは関係ない領収証が混ざっていることが多いです。

この状態での確定申告を比較的安い金額で受ける会計事務所もありますが、こんな人の申告をまともにやったら受ければ受けるほど会計事務所は大赤字になります。

安値で受けるということは処理が適当でひどいということです。

領収証が読めなかったり処理しにくい場合は捨てるか適当に入力、考えながら処理をしたり、わからない部分全てを依頼者に質問していたら全く儲からないどころか損をしてしまいます。

依頼者も質問をいっぱいされること、正確な利益を求めることを望んでいないということはわかります。

個人事業主への税務調査なんて30年仕事してても一度もない人が大半です。

そのことを会計事務所は誰よりもよくわかっています。

だからこそ、だったりするのです。

さらに年に一度しか集計をしない人に対しては儲ける力や試行錯誤をして収益力を上げていく気持ちも力もない人と思われますので、快適な対応は期待できないと思います。

自分でやるにしても会計事務所に依頼するとしても利益確認をしない人、利益確認をしたいとも思わない人に対する目は厳しいと思います。

仕事を発注する時に利益を確認してない人への価格交渉、ばからしくなります。

逆に仕事依頼を受けた時の価格交渉もまた意味なく感じ、関わることすら時間の無駄と思ってしまいます。

申告期限である3月15日直前である9日から15日に確定申告書提出者が集中します。

特に最終日は提出者の多さったら半端じゃありません。

期限最終日が圧倒的に提出者が多いんです。

以前どこかでソースとなる公式統計を見たのですが、今回の投稿のためにこの統計が探しても見つかりませんでした。

見つかったら別投稿で書くか追記したいと思っています。

期日をいつ頃と捉えるか

期限日に近い提出になればなるほど質が悪くなります。

2月16日から3月15日という期間があった場合、あたなはいつをターゲットと考えますか?

ターゲットを2月16日と考える人と3月15日と考える人とでは人の質に大きな差があると思います。

確定申告という言葉でくくりましたが、私が書きたかったことはフリーランスも含めた事業をしている人、個人事業主のことです。

今回書いた内容は確定申告であっても株や仮想通貨、医療費控除などの人のことは対象としていません。

2018年2月11日追記

確定申告の無料相談会

税理士による無料相談会というものがあります。

その名の通り、無料で確定申告に関することを相談することができる相談会です。

特に時間制限はないですが、待っている人が多いので最低限の助言とやり方を教えてくれるだけという感じです。

無料ではありますが、相談した内容に対しては丁寧に説明してもらえます。

しかし質問したこと以外は教えてくれないと思っておいた方が良いです。

医療費の領収証を持って医療費控除の相談に行けば、医療費控除のことは間違いなく教えてくれます。

確定申告というのは収入や資産構成、家族構成などを把握しないと間違えた申告になってしまったり、特例を使い損ねてしまたり、間違えた特例を使ってしまったりなど。

無料相談会では待っている人が多いこともあり、質問されたこと以外のことはやらないことが多いです。

時間がないので逆質問をしながら組んでいくということができないのです。

時間があってとしても無料だからそこまでやる人がいるかどうかも微妙ですが。

無料相談会に来る人は税金や申告のことを知らない人がほとんどです。

わからない人に対して税理士が質問をしても、まともな答えが返ってくるはずがありません。

質問をすることで間違えた方向へ誘導してしまい、間違えた申告になってしまう。

お互いにとって困った状態になってしまうので余計な質問はしてこないと思います。

時間の問題とトラブル回避のためです。

無料はしょせん無料です。

普通の会社員が医療費控除のことだけを聞きに行くなら良いですが、無料相談会に期待するのは大間違いです。

無料相談会で解決するようなことは自分でググっても簡単に解決できること。

そんな感じで考えておくのが良いと思います。

税務署に行くと税務署職員が申告書の書き方を教えてくれます。

これもググって申告書を作るのと変わりありません。

医療費控除くらいなら良いと思いますが、待ち時間ものすごいです。

待ち時間で時間を使ってしまうくらいなら自分で調べてやるか、税理士に頼んでしまった方が時間を有意義に使えてプラスのことが多いと思います。

待ち時間が長いのは税理士の無料相談会も同じです。

無料は質が悪いだけでなく、一番大切な時間を無駄遣いしてしまうことになります。

無料相談会で税理士に言われたとおりの申告、税務署職員に言われた通りに申告、どちらの場合でも申告が正しいかどうかは全く別問題です。

どんな間違った内容であっても、鉛筆など消せてしまう筆記用具で書いた申告書以外は全て税務署は受け取ります。

受け取ってから数ヶ月かけて内容を精査します。

なので無料相談会や税務署職員の指導通りに申告書を作成して提出したところで全てが終わりではないんです。

無料相談会や税務署職員の指導は適切でないことが多々あるので数ヶ月後、場合によっては3年経過してから問い合わせや税務調査が入ることがあります。

相談会や税務署職員の指導の目的は相談者全員に絶対に間違いのない、納税者にとって一番有利になる処理方法を教えることではなく、無料で沢山の人の話を聞き、とりあえず申告書を提出できる状態にすること。

ひどい内容であってもとりあえず申告書を出させることが一番の目的です。

無料ですからこんな感じです。

教えるモチベーションが高いわけありません。

無料のものに長時間並んでいる人へのイメージってかなり悪いです。

心底はそれなりのサービスを受けるならそれなりの対価を払えと思っています。

以前noteに税金のことを税務署に聞いても絶対に正解というわけではないので気を付けた方がいいですよ!ということを書きました。

税務署返答の質がどの程度か気になった人はぜひ読んでください。
税金のことは税務署に聞こう!はみんなが思っているほど正しくはないという話

この記事を書いた人

山口 健一

20年以上会計事務所で勤務し、20件以上の税務調査経験があります。

これだけの経験がある私だからこそ税理士との交渉をスムーズでわかりやすいものにするお手伝いをすることができます。

税務、法務、労務など会社経営に必要な全て業務知識を網羅しており、私が可能なことは私が対応をし、専門家に依頼すべきことは適切な専門家に依頼、仲介をすることができます。