禁煙店を85%に増やした6月の串カツ田中の業績発表
2018年6月1日から85%のお店を完全禁煙店とした串カツ田中の6月の業績発表がありました。既存店売上は下記の通り。・売上高 97.1%
・客数 102.2%
・客単価 95.0%
客数は増えましたが売上高と客単価は減りました。午前11時にこの発表を受けて株価は急落しました。午前中は3,110円まで上昇していましたが6月業績発表後に急落、終値は2,724円、208円7.09%の下落で今日の取引を終えました。
売上高減少と客単価減少をどう解釈するか
既存店売上高と既存店客単価、特に既存店単価が大幅に低下したことが嫌気されて株価は急落したのだと思います。短期的には株価にとって下落要因だと思います。6月の業績をどう読むか
6月1日から完全禁煙店を増やした影響もあり、下記のような特殊要因のあった1ヶ月でありました。1 ワールドカップ開催期間であったこと
2 土日の降水量が前年と比べて倍以上もあったこと
3 完全禁煙店を増やしたことで1ヶ月を通して割引キャンペーンをしていたこと
4 完全禁煙店が増えたことで未成年の子供を含んだ家族客が増えたこと
1から3は売上高減少に、4番は大幅な客単価の減少に影響します。
既存店売上高減少をどう解釈するか
1番と2番に関しては飲食店を経営していたり、飲食店に関わる仕事をしている人にとっては当たり前のことなのですが、ツイッターなどを見ていると全くわかっていない人もいるようです。禁煙化で大幅に客単価が減少
 
喫煙者の方が大幅に客単価が高いという結果が出たのに
 
「禁煙で売上は下がらない」と豪語してた御仁はワールドカップのせいにした https://t.co/zDwx39EyWz— ヤニたん (@yanikasutan) 2018年7月5日
こんな感じのツイートです。
サッカー日本代表戦の人気が下がってしまっていた最近はそれほどではないですが、サッカー人気が高かったジーコ監督やゼッケローニ監督だった頃まではサッカー代表戦が夜にある日は飲食店には大ダメージの日でありました。
サッカー観戦に特化したお店は大きく売上が増える日でありますが、一般的な居酒屋や鮨店、バーなどにとってはサッカー日本代表戦は厄日の代表です。日本代表の親善試合であっても大ダメージなのですから、試合時間が夜遅くから夜中にかけてになってしまったロシアワールドカップが日本の飲食店に与えた悪影響は想像を絶します。
このツイートをした人は間違いなく一度も飲食店に関係する仕事をしたことのない人です。夜も営業している飲食店に関係したことがある人ならサッカーの試合が飲食店の売上にどれくらい影響を与えるか知っているはずですから。
土日の降水量が前年と比べて倍以上あったことも見逃せません。天候がどの程度売上に影響を与えるか、想像以上に客は天候に敏感に反応します。雨だけでなく風にも大きく反応します。このことは経営者以外にはわからないと思いますが、わからない人が否定するのはどうかと思います。
ワールドカップの天候の影響を考えると既存店売上高が前年同期比97.1%と2.9%減少していることは誤差の範囲内だと思います。禁煙店が増えたことで家族客が増えましたが去った客もいて、6月だけを見るとほぼプラスマイナス0と考えて良いと思います。
短期的にはワールドカップ終了後の7月以降、少なくても9月までの3ヶ月の推移を見ないと売上高に関しては是非を問うことは難しいです。
既存店客単価が大幅に減少したことをどう解釈するか
客単価が減少したのは間違いなく家族客が増えたことで未成年客が増え、食べる量が減り酒を飲まないことで飲料の単価が下がっただけだと思います。株価の大幅な下落はこの部分が一番嫌気された可能性がありますが、普通に考えて喫煙者と非喫煙者と比べて飲食店でお金を使う金額は間違いなく非喫煙者の方が多いです。理由は収入金額が違うからです。エビデンスはその辺にいっぱい転がっているのでググって探してください。完全禁煙店を増やしたことによる大幅な値幅キャンペーンの影響も受けていますが、客単価の減少は未成年客割合の増加が主な原因だと思います。客の未成年者割合の情報が発表されていれば判断をしやすいのですが見当たりませんでした。今後の発表に期待したいです。
完全禁煙店を大幅に増やしたことによる客と従業員の声
本日7月5日のリリース内に完全禁煙店を増やしたことに対しての客と従業員の感想も書いてありました。串カツ田中禁煙化1カ月実施結果をお知らせいたします
引用してプラス部分とマイナス部分を少し書こうと思っていたのですが、マイナス部分があまりにもバカらしく引用するのはやめました。このアンケートがどこまで本当なのか、悪意があるのかどうかはわかりませんが、悪意などがなく真実であれば喫煙者の意識の低さは言葉では表せないレベルです。
非喫煙者である飲食店経営者の人に聞きたいのですが、喫煙者の意識がこんな感じであるということは前からわかっていたことだと思います。それでもまだ喫煙者の客に来てもらいたいですか?
喫煙者の気持ち
喫煙者に悪意は全くないと思います。私が20年くらい、1日60本以上吸っていたヘビースモーカーだったのでその気持ちは誰よりもよくわかります。タバコを吸うことも、歩きタバコをすることさえも全く悪いことだと思っていませんでした。ポイ捨てもいっぱいしていました。喫煙者が今している悪行、歩きタバコや自宅や自分の車の中など他人にタバコの煙が絶対に流れない場所以外でタバコを吸うことがどれけ迷惑で失礼なことなのか。これは禁煙して非喫煙者にならないと絶対にわからないことなんです。喫煙者には何を言っても無駄なんです。自分自身が異常なヘビースモーカーだったのでそのことが誰よりもよくわかります。
飲食店としては喫煙者と完全決裂をするかギリギリまで付き合いを続けるか。キッパリと決める必要があります。店の入口に灰皿を置いて喫煙者に媚びるくらいなら店内を喫煙可能にしてしまえばいいんです。店の入口がタバコ臭い飲食店、店に入ると自分がタバコ臭くなってしまう飲食店、美味しいものが好きな人が行くと思いますか?
串カツ田中の6月の業績を見てホッとしてる飲食店経営者に向けて
6月の数値を見て禁煙店を増やすことが飲食店にとって悪だと解釈したら大間違いです。ワールドカップや天候などの特殊要員だけでなく、効果が出てくるまでには時間がかかるのです。串カツ田中が完全禁煙店を増やしたことによる良い効果があったことを確認してから自分のお店を完全禁煙店にしても、効果が出る前に潰れてしまう可能性があります。完全禁煙店にするということは客の総入れ替えをする!と考えてやるべきですし、そういうことなんです。
串カツ田中の今後
未だに串カツ田中が完全禁煙店が多くなっているということを知らない人が大多数だと思います。関東では串カツを食べるという習慣がないので、関西と比べて串カツ店への興味が極端に低いです。近所のお店が禁煙店になったことを知っていたとしても様子見をしている人もまだ多い状態です。マクドナルドが全店禁煙にしてから、その効果が出るまでは相当な時間がかかりました。禁煙状態になっていることを認知してもらい、お店に来てもらうまでは時間がかかります。
ほぼ全店禁煙店にとのリリースをしておきながら85%のお店しか完全禁煙店にしなかったことを知った時は腹がたちましたが、その後禁煙店を喫煙店に戻したとの話は聞かないので今は応援したいと思っています。
7月以降の動向も注目しています!