リベート裏金の作り方!裏金はこう作れ!の話

リベート裏金
リベートや裏金、昔よりはだいぶ減りましたがまだまだ要求されることがいっぱいあります。仕事を回すから、受注金額の上乗せをするから「裏で現金をよこせ」「あれ買ってくれ」「海外旅行に行く金を出せ」などなど。

数万円程度ならかわいいのですが、数百万円以上となってくると冗談では済まなくなってきて、リベート資金を作るのが非常に難しくなってきます。「手数料として100万円払う」のと「裏金として100万円払う」ことは全く違うのです。

裏金として払うリベートの作り方

税務上の取扱いの説明は後回しにして、先に裏金の作り方について書きます。

商品券などの現金化

商品券や切手や印紙など換金性の高いものを買い、切手や印紙などは普通に費用として処理をして、商品券は架空の相手へ支払ったものとして交際費として費用にする、そして金券屋に商品券や切手を持ち込んで現金化する。

政治資金規正法で問題になった人の中に切手代や印紙代を多く使っていた人が多くいました。政治家も切手や印紙を買って政治資金として費用にして金券屋で売って現金化して裏金にする。政治家もけち臭いことをしてるみたいですw

外注先など取引先に金を戻させる

これが王道だと思います。外注先などの下請けの取引先に架空の請求書を作らせ、実際に普段の仕事と同じように振り込んで支払う。そして支払った額の8割から5割を裏で現金で戻してもらう。何割戻してもらうかはお互いの力関係によります。

お得意さんである取引先からこのような依頼を受けたら断るわけにはいかず、受けるしかありません。受けっぱなしだと損をしてしまうので自分がされたことを外注先などの下請けの取引先に全く同じような形で請求書を作らせ裏金をキープします。

そんなこんなで昔は3世代から5世代の下請け業者までこの裏金続きの架空請求書が回っていましたが、今はどのような状況になっているのでしょうか。昔は今と比べると利益率が異常なくらい高かったので、これくらいのことをやっても利益が出ていましたが、今は2業者目あたりからは相当厳しい裏金作りになっていると思われます。

元青汁王子である三崎優太さんはこの方法で脱税をしたことで法人税法違反などの罪で有罪となってしまいました。三崎優太さんの場合は広告費を使って裏でバックさせる方法でした。

少額や単発の場合はバレないことも多いですが、このような処理は継続的な処理になってしまうので三崎優太さんのようにどこかでバレてしまい痛い思いをしてしまいます。

みんながやっているからあまり問題がないと思いながらこの処理をしている人が多いですが、かなり悪質な脱税行為なのです。

どんな処理になってしまうことが多いか

昔は外注先に依頼して裏金作りを比較的楽な感じで作ることができていましたが、今は利益率が下がっていることや税務当局の目が厳しいこともあり容易にできる状況ではなくなってしまいました。

そんな厳しい状況であってもクレクレ親父はリベートを要求してくるので払わざるを得ません。どうするか、結局会社が社長にお金を貸し付けて裏金として払うしかありません。社長の収入や貯金が多い場合は社長の資産から裏金として払うことになります。

どちらにしても会社も社長にとっても血がドクドク流れるほどの痛い思いをしながらリベートを払っているのです。異常な金額のリベートを要求している人、リベート要求をしないと損だと思っている人、リベートを受け取ることが当然と思っている人が沢山います。

手数料として支払う場合

リベートの名目は手数料でも外注加工費でもなんとか費でも何でも良いのですが、会社が費用計上をして支払うのであれば何も問題ありません。
会社が費用として処理をするためには支払い先の会社名や氏名や住所を明らかにする必要があります。

支払われた会社や個人は、その収入を利益として申告をする必要があります。もらった手数料に対して会社の場合でしたら法人税等が、個人であれば所得税等が課税されることになります。

リベートという名称であっても支払い先を明らかにして費用処理して良いリベートは、支払者にとって困る存在ではありません。得られる利益に対してリベートの金額が高いか安いか、自社にとって得なのかどうかでその契約をするかを決めれば良いだけです。

裏金とは

通常リベートも含めて裏金は、支払い者に支払い先を言わせずに払わせます。支払い先を隠すことになるので会社の費用にすることができません。

この内容を聞くと使途不明金という言葉を思い浮かべる人が多いと思います。しかし税法上の使途不明金とは、支払い先は明らかになっている支払いのことを言います。支払い先は税務当局に明らかにするけど、支払い内容が会社の費用として認められないもののことを言います。

裏金は支払い先を明らかにすることができない支払いなので使途不明金ではないのです。

裏金のことを何と呼ぶか

使途秘匿金と呼びます。使途秘匿金は費用にならないだけでなく、払った金額の40%の税額を支払う必要があります。

100万円の裏金を支払った場合、払った100万円は費用にならず、使途秘匿金が100万円あることで40%である40万円の法人税を支払う必要があります。赤字の会社でも関係なくこの40万円の法人税を支払う必要があります。繰越の損失があっても、使途秘匿金に対する税額を支払う必要があるのです。

使途秘匿金に対しての税額

赤字の会社でも100万円の使途秘匿金に対して40万円の法人税だけでなく地方税も支払う必要があります。具体的に横浜市内の会社の場合は2018年10月現在、100万円の使途秘匿金に対して下記の税金を支払う必要があります。
・法人税 400,000円
・地方法人税 17,600円
・法人県民税 32,800円
・法人市民税 54,500円

赤字の会社であっても使途秘匿金が100万円あると合計で504,900円の税金を支払う必要があります。このうち法人県民税20,000円と法人市民税54,500円の合計74,500円は使途秘匿金とも全く関係のない税金です。利益や税額に関係なく支払う、均等割と呼ばれる税金です。

均等割を除くと430,400円。100万円の使途秘匿金を支払うことでこれだけの税額を支払うことになります。使途秘匿金に対する税額40%と書いているサイトは多いですが、地方税分に対して言及しているサイトはほとんどありませんでした。そして税率や税額を書いているサイトは0。本気で書く気はないと感じました。

みんなこの税金を払っているのか

どうなんでしょうか。払っている会社も多々ありますが、諦めて使途秘匿金として処理をする前に裏金を支払うための裏金作りに走っている会社が多いです。

上の方に書いたような感じで裏金を作るか社長への貸付金として処理をするか、どちらかで対応している会社が大半です。

リベートをもらっている人は昔から上司がやっていることで、流す仕事の金額が大きいことから当たり前と思って裏金であるリベートを要求して受け取っているのだと思います。実は払っている会社は非常に困っているのです。

数百万円、数千万円、数億円を上乗せして請求させていたとしても、いくら利益が出たとしてもリベートとして払い出す方法がないのです。上乗せして利益を出させたから相当分は簡単に払えるだろ!と思っているのかもしれませんが、そんなに簡単なことではないのです。

私はリベートや裏金を要求する全ての人は例外なく最低だと思っています。裏金やリベート要求をしている全ての人に聞きたいことがあります。「リベート要求をしていることを自分の子供に話せますか?」と。

この記事を書いた人

山口 健一

20年以上会計事務所で勤務し、20件以上の税務調査経験があります。

これだけの経験がある私だからこそ税理士との交渉をスムーズでわかりやすいものにするお手伝いをすることができます。

税務、法務、労務など会社経営に必要な全て業務知識を網羅しており、私が可能なことは私が対応をし、専門家に依頼すべきことは適切な専門家に依頼、仲介をすることができます。