セブンイレブンオーナーの契約違反が叩かれないことの不思議!の話

コンビニエンスストア
セブンイレブンのオーナーが24時間営業をする内容の契約を守らなかったことで本部から1,700万円の請求とフランチャイズ契約を強制解約されたとの報道がありました。

大阪府にあるセブンイレブンのフランチャイズ(FC)加盟店が「24時間はもう限界」として、営業時間を短縮したことで、本部と対立していることがわかった。
この店舗は人手不足などを理由に、2月1日から午前1?6時の営業をやめ「19時間営業」を開始。本部から「24時間に戻さないと契約を解除する」と通告されている。応じない場合、違約金約1700万円を請求された上、強制解約されてしまうという。

セブンオーナー「過労死寸前」で時短営業…「契約解除」「1700万支払い」迫られる

「24時間営業やめたら違約金」でググると下記のような検索結果です。2019年2月20日夜の時点では1ページ目全てがセブンイレブン本部を批判するサイトが掲載されています。
「24時間営業やめたら違約金」でググった結果

これが大多数の人の反応であり、感想なのでしょうか。極論の乗っかり記事とパクリサイトばかりです。

コンビニ経営をする動機

対象者がどのような動機でコンビニ経営を始めたのかはわかりませんが、一般的にコンビニ経営をする動機とはどのようなことが考えられますでしょうか。

一般的なコンビニと似たお店を経営したいからでしょうか。きっと違いますよね。楽して儲けたいからですよね。地獄のような通勤電車に乗りたくないから、会社員を続けたくないからですよね。

エビデンスはありませんがセブンイレブンのオーナー募集サイト、特に土地も建物も持っていない人に対する募集サイトを見ればどのような人を対象に募集しているのか、釣っているのかがよくわかるとおもいます。
セブンイレブンオーナー募集サイト

土地も建物もなく、その調達も本部に任せて店舗経営をしたい人ってどんな人なのでしょうか。私は商売をやるには一番向いていないクラスタの人達だと思います。
コンビニ経営に飛びつく人ってどんな人?の話

小売店経営の障壁の高さ

今一般の人が小売店を始めるなんてほぼ不可能に近い状況であるということは知っていますでしょうか。

スーパーやコンビニや量販店などの実店舗に加えてネットショップがライバルです。普通にスゴイ人が小売店を始めても上手くいく可能性は限りなく0に近いです。

普通に開業しても上手くいかないのでセブンイレブンなどの大企業と契約をして、仕入ルートとノウハウとシステムを導入させてもらう。

普通は入手することが絶対にできない仕入ルートやノウハウ、システムを提供してもらう代わりに対価を支払い契約内容を遵守する。

ここで支払う対価は契約内容を遵守することを前提とした対価なのです。わかりますか?ことがとても重要なのです。

今回問題となった24時間営業をするとの契約、嫌だったら契約をしない選択をすることもできましたし、24時間契約をしない場合の対価の交渉をするという選択もありました。

当然24時間営業をしないという特別な契約内容の場合は支払い対価は高額になります。営業時間が減るとその分売上金額が減るので本部の取り分が減ります。

オーナーは楽をして、本部の取り分は減る。そのような契約になるので契約時の対価が通常より高額になるのは当たり前のことです。

24時間営業を継続するという契約

こんな契約はかなりの覚悟を決めないとできないことです。家族や自分が体調を崩しても、人件費が高騰して従業員やバイトを確保をすることが難しくなっても24時間営業を続ける必要がある契約。かなり無茶な契約です。

こんなバカな契約をしてしまったのですから、私は今回の賠償金1,700万円は当然だと思いますし、本部としては1,700万円もらって契約解除をしても割が合わないと思います。

こんなことになるのが嫌だから、みんな地獄の通勤電車に毎日乗っているんです。毎日地獄の通勤電車に乗っている人までコンビニオーナーを援護して本部に文句を書くまくるというわけのわからなさ。私には全然わかりません。

24時間営業をしないということが前提でのシステム使用料やノウハウ提供料などを考えると1,700万円という金額が高いのか安いのか。

自分で普通にお店を経営していた場合は金額がどうのではなく破綻して破産していると思われるので、1,700万円で済むなら安いと私は思っています。

24時間営業をすることが条件であるということ、生命保険とかの約款とかみたいに小さな字でどこに書いてるのかわからないような記載だったら、注意不足ではありますがまだ同情の余地があります。それでも私は同情しませんが。

しかしハッキリと明記されていたはずですし、説明も受けていたはずです。約束は守りましょう。甘い汁を吸いにいき、痛い目にあったら泣きを入れる。最悪だと思います。

甘い汁を吸いにいってしまったのですから、痛い目にあっても気合いで乗り切るべきです。

論点違いのツイートとサイト

24時間営業をする意味があるのか、24時間営業は無駄、コンビニ増やしすぎなど論点が壊れたツイートとブログが溢れかえっていますが、論点は本部とオーナの契約です。

契約を守らなければ契約通りに違約金を支払ったり、契約が解除されることは当たり前のことであり、この原則を覆してしまうと世の中の契約全てが意味のないものになってしまいます。

騙して契約したのではないのです。批判記事やツイートをしている人達、本当に仕事しているのでしょうか。このような意識の人を雇ってしまう会社は大変ですね。

自力で店舗経営や会社経営をできずに本部に頼っておいて、本部に頼らないと何もできないにもかからず、本部に文句を言う資格はありません。
自分の無力さを呪うべきです。

この記事を書いた人

山口 健一

20年以上会計事務所で勤務し、20件以上の税務調査経験があります。

これだけの経験がある私だからこそ税理士との交渉をスムーズでわかりやすいものにするお手伝いをすることができます。

税務、法務、労務など会社経営に必要な全て業務知識を網羅しており、私が可能なことは私が対応をし、専門家に依頼すべきことは適切な専門家に依頼、仲介をすることができます。