銀行へ借入返済できなくなりそうな会社が沢山あるのです!の話

銀行
本来は破綻すべき会社に銀行がお金を貸し続けていた結果、負債総額がジリジリと増え続けて爆発しそうになっている会社が沢山あります。
最近になり業績が悪化している影響もありますが、根本的な問題は2009年12月の制定された「中小企業円滑化法」通称モラトリアム法の影響が未だに大きく、当時よりも返済が難しそうな貸付残高が大きくなってしまっています。

日銀が8日まとめた貸出金統計によると、邦銀による2018年末の国内貸出残高は504兆3974億円と、1997年末以来となる21年ぶりの高水準になった。景気回復と低金利を追い風に中小企業への融資が伸びた。だが現場では、返済能力が乏しく延命するだけの「ゾンビ企業」にすら低利で貸す競争が過熱している。長期の金融緩和とカネ余りは経済の新陳代謝を遅らせ、効率の悪い資金の循環を温存している。

銀行融資、危うい復調 20年ぶり500兆円台
この報道に書かれている通り、貸付残高は増えていますが設備投資など儲けるための融資は少なく、返済能力がない会社を延命させるためだけの貸付が非常に多くなっています。

どうして銀行は貸すのか

貸さないと返済が滞ってしまったり、会社が破綻してしまうから貸すのです。
利益が出ていない会社に大きな金額を融資することはできませんが、銀行はセーフティーネット保証制度という仕組を使って、特にこの中の5号認定を使って必要以上の貸付行為を繰り返してきました。
セーフティネット保証制度とは経営が厳しくなっている中小企業を対象に、信用保証協会が有利な条件で保証をして銀行からの融資をしやすくする制度です。
信用保証協会を使った通常の貸付の場合、会社が倒産した際に保証協会が銀行へ支払う金額は残高の80%です。保証協会付きの貸付であっても残高の20%は銀行が損失を被ることになります。
しかしセーフティネット保証制度を使うと保証協会が100%保証することになります。銀行はリスク0で貸付をすることができるのです。
リスク無しで商売をできる状態。。。ハッキリ言って、とんでもなくふざけた制度です。
リスク無しなので銀行はこの制度を使ってどんどん会社に融資をします。利益がなくても、返せそうになくても保証協会が全部面倒を見てくれるので、セーフティネット保証制度の条件に合わせる書類を作らせるように誘導して目一杯貸付をします。
その結果が現在の状況、ゾンビ企業だらけになってしまった一番の原因はセーフティネット保証制度の5号認定であることは間違いありません。

セーフティネット保証制度5号認定とは

最近3ヶ月の売上高が前年同期と比べて5%以上減少していると利用可能です。
セーフティネット保証のための認定について
期間により利用可能な業種が制限されていますが、一般的な業種はほぼ網羅されています。2019年1月1日から2019年3月31日までに利用可能な指定業種は下記サイトの通りです。
セーフティネット保証5号の指定業種

売上激減大赤字で借りられるのか

微妙です。絶対に黒字でないと借りられないというわけではないですが、金融機関からは暗に黒字の試算表を提出することを求められます。
直近の売上高は5%減っていることが条件にもかかわらず、利益が出ている試算表作成。売上が減少して苦しくなっている会社を援助するための融資ですが、返済能力がない会社には貸せないという矛盾だらけの制度。
売上を減少させて、でも利益が出ている3ヶ月分や6ヶ月分の試算表を提出すること。そして決算の時に提出した試算表と極端にかけ離れた状況にならないように決算書を作成して申告をする。
こんなことをやっていると粉飾決算地獄から抜けることができなくなり、今現在も粉飾決算地獄にはまっている会社が相当多いはずです。これがイコールゾンビ会社ということになります。

軟着陸は可能か

銀行の担当者は2年程度と短い期間で代わっていきます。自分が担当している時に破綻しないことを最優先に仕事をしているはずです。
2年持たせればどうにかなるので、今の制度でしたらどうにかなっています。こんな状況が記事に書かれているような状況を作り出しています。そしてどこまで危ない爆弾が大きくなっていくのか。
ゾンビ会社の破綻が続くと連鎖でいろいろな問題が起きると思います。いろいろなことが暴かれていくとスルガ銀行問題どころではない闇が表にチラホラと出てくるかもしれません。
軟着陸は不可能だと思います。今好調である建設業、特に20代から30代前半の人が経営している建設業はオリンピック前には息切れして破綻の連鎖が始まると思います。
触らぬ神に祟りなし。かなりとんでもないことになるはずなので、今羽振りが良い人であっても深く関わりすぎないように注意が必要です。

この記事を書いた人

山口 健一