景気が良くないから、景気が悪いから客が来ないと嘆いているお店、客が来ないのは本当に景気が理由なのでしょうか。そもそも今は景気が良いのでしょうか、悪いのでしょうか。客が入らないのを景気のせいにしている人は今の景気の状況さえわかっていないのではないでしょうか。
美味しければ客は来る
これは当たり前のことです。美味しければ景気が良くても悪くても客は来ます。しかしターゲットとする客層や料金設定により飲食店の売上状況は非常に複雑なことになります。安くて美味しければ売上が多くなる可能性が高いですが激安で美味しいお店が少し値上げをして、安くて美味しいお店に変わると売上が急落します。激安で美味しければそれだけで客が入るのか
鳥貴族は上品な味ではありませんが、値段と味を考慮するとかなりコストパフォーマンスの良いお店です。少し高い焼鳥店とブラインドでどちらが美味しいかのテストをしたら、ほとんどの人には区別がつかないと思われ、少し高い焼鳥店で鳥貴族の焼鳥を出しても気付かず食べる人が多いと思います。高級店と比べてしまうと上品な味ではない鳥貴族の焼鳥との差がかなりあり、ブラインドテストをしても見抜かれてしまうと思いますが、少し高いくらいの焼鳥屋との比較でしたら鳥貴族の焼鳥の方が美味しいと思う人が多いと思います。
そんな安くて美味しい鳥貴族、景気に関係なく非常に良い業績で快進撃を続けていました。2017年9月までは・・・。激安店だった鳥貴族は2017年10月に1品280円から298円に値上げしました。これは激安店が安いお店に変わったのでしょうか。私は激安店に変わりないと思っていたのですが、この18円の値上げの影響で大きく売上を減らすことになってしまいました。
鳥貴族が1品18円の値上げで苦戦・この層を狙った商売に旨味はあるのか?の話
鳥貴族は狙った層が悪かった典型的な例です。1品298円が高いと思ってしまう層を狙っての商売。ワタミなどの居酒屋、吉野家やすき家などの牛丼店、マクドナルドなどのファーストフード店の安売り競争の末路と同じ道を進んでしまっています。
鳥貴族が18円の値上げで業績が急降下したという事実は、安くて美味しければ良いわけではないこと、景気なんて売上に全く関係ないことの象徴的な出来事です。
ある程度美味しいお店であれば激安にしてはいけないということは鳥貴族とマクドナルドの例を見れば明らかです。マクドナルドがある程度美味しいかどうか、異論も沢山あると思いますが店舗により見た目も味もかなり違うので、異論がある人は美味しいマクドナルド店で一度食べてみてください。美味しいマクドナルド店は見た目も良く、けっこう美味しいです。コストパフォーマンス良いです。
飲食店チェーン店はお店によって全然味が違う話は以前に書きました。
飲食店チェーン店はお店によって味が違う!の話
景気に左右される飲食店
景気の良し悪しで客の入りが変わるお店はあります。どんなお店か。美味しくないお店です。景気が良くなると美味しくないお店に客が増える理由は美味しいお店や普通の味のお店が混んでいて待つのが面倒だからまずいお店にも客が入るのです。そんなまずいお店の人は景気による客の増減を感じているはずです。確かに景気の影響で客が増減していますが、それはお店の料理がまずいからです。美味しかったら景気が悪くても客は入るのです。
一番悪いのは現時点の料理が美味しくないことではなく、客が来ない理由を景気のせいだと思ってしまうこと、そしてそれを口に出してしまうことです。その思考や誰かに言ってしまうことのダメさに気付いていない人は飲食店がどうのではなく、事業をする資質がないので早くやめて就職するべきです。