アルトアという会社からダイレクトメールが届きました。
アルトアからダイレクトメールが届きました。
 
100万円を金利7.8%で借りることができる、とてもお得なサービスです!って感じで書いてあるのですが。
 
7.8%で事業用資金を借りなくちゃいけない事業ってありえます?
 
この金利でないと借りることができない人が返済できますか?— Kenichi Yamaguchi/山口健一 (@yamakenkenken2) 2019年1月21日
金利7.8%の融資の案内です。
事業用の貸付金利として7.8%という金利はぼったくり金利です。貸す側としてはこれだけの金利を取らないと割が合わないのでぼったくっているつもりはないのでしょうが、この金利で事業用の資金を借りて利益を出すことは不可能に近いくらい難しいことです。
貸す側はそのことをわかっていて貸しているはず。商売としてはぼったくりではありませんが、精神的には完全にぼったくりだと思います。
事業用資金の貸付金利7.8%がぼったくりと言われてもピンとこない人が多いかと思いますが、借りたお金を7.8%の利率で運用してもプラスマイナス0、元金が1円も減らないのです。
今時7.8%で運用できる投資や仕事など、どこにあるのでしょうか。そのような投資や仕事をすることができる人が銀行ではなくノンバンクから7.8%の金利でお金を借りるでしょうか。
低利である銀行で借りることができないから7.8%の高利のノンバンクにお金を借りにくるのです。銀行で借りることができなくなるくらい業績が悪い事業者が7.8%以上の利率でお金を動かせるわけがありません。
事業用資金の金利はどれくらいなのか
昔は国民金融公庫と呼ばれていた機関が農林漁業金融公庫と中小企業金融公庫と一緒になり今は日本政策金融公庫として貸付業務を行っています。
無担保で保証協会へ保証料を払わないでも良い貸付は銀行よりも日本政策金融公庫が一番安いことが多いです。保証料を支払うと銀行にはもっと安い貸付制度がありますが、保証料込みで金利を計算した場合は日本政策金融公庫の貸付を最優先で考えるのがお得です。
日本政策金融公庫の2019年1月現在の基準金利は「2.06%から2.55%」です。保証協会への保証料支払いが必要のない貸付でこの金利です。
日本政策金融公庫の金利
基準金利に0.5%の差異がありますが、経営状態が普通の状態の会社であれば2.2%から2.25%くらいで借りることができます。2019年1月中に日本政策金融公庫からの貸付で2.3%以上だった会社は普通未満と判断されていると思われます。
銀行から保証協会付きでない貸付をする場合はこの2.2%を基準に交渉をするのが良いと思います。
会社の経営状況が普通の状態であればこの金利でお金を借りることができるのです。保証協会付きの貸付であっても、保証料込みで3%を越える貸付などありません。
銀行から3%以上の貸付金利を提示される会社とは私が取引をしていないだけという側面もありますが、今時3%以上を提示される会社の経営状況は非常の危ういと思います。
銀行から3%超の高利であっても借りることができない人が借りる場所がオリックスやオリコなどのノンバンクの会社であり、ダイレクトメールを送ってきたアルトアという会社も同じです。
アルトアの公式サイト
アルトアとは
会計ソフトとしてかなりのシェアを持っている弥生会計を利用している人がオンラインで融資を受けることができる、ということが売りの貸金業者です。
弥生会計を利用している人が弥生会計データをアルトアへ送ることで審査、融資が実行されます。会話など交渉することなくお金を借りることができるので、このサービスを喜ぶ人も多いと思います。
サイトには金利は「2.8%から14.8%」と記載されていますが、おそらく基準金利は7.8%でしょう。このような記載を見ると一番得をする数値を見る人が多いですが世の中そんなに甘くありません。
金利「2.8%から14.8%」というのを読むと2.8%と理解し、期間「2月18日から3月15日」というのを読むと3月15日と理解する人は同じクラスタの人です。
そのクラスタの人しかこのサービスは使わないですし、こんなバカげた金利でお金を借りるはずがありません。
アルトアからの提案
アルトアから使い方について7つの提案がサイトに記載されています。
1 設備の修繕費
2 タイムリーな機会投資
3 閑散期の資金繰り
4 人材採用
5 プロモーション資金
6 回収サイトの長期化対策
7 納税資金
アルトア提案の資金7つのつかいみち
この7つのどの使い方をしても破綻した時のダメージが大きくなるだけです。7つの事象が起きた時に7.8%の融資を受けるなんて頭おかしいと思います。
7つの事象が起き、7.8%でないと資金調達ができない状態になったら諦めて一刻も早く破綻してしまうのが一番得ですし、時間も無駄にならず取引先などにも迷惑をかけないで済む方法です。
お金を借りる時
原則として手間がかからず簡単に貸してくれる貸付は金利が高く、手間がかかり面倒くさくて難しい貸付は金利が安いです。
この当たり前のことがわかっていない人が多すぎです。簡単に借りられるということは相手側からするとそれだけリスクの大きい貸付をすることになるので、金利が異常なくらい高い貸付となります。
どの世界でも、どのような話であっても同じですが手間をかけずに誰にでも簡単にできることには旨みが全くないのです。旨みがないどころか破綻へと向かってしまうのです。
今でしたら通常の場合は3%まで、緊急事態であっても5%を越える貸付を受けてしまうと返済が困難になってしまいます。
一度ハマってしまうと抜け出すことが困難になってしまうので、事業用の貸付を利用する場合の金利には十分気を付けてください。