所得税確定申告の脱税のやり方が書いてあるサイトに個人事業主の慰安旅行を費用にするためにはこうすれば良い!ということが書かれていました。
一人ぼっちの個人事業主でも、慰安旅行を経費する裏技がありますよ。
書き出しのこの部分だけで完全にアウトです。従業員がいない個人事業主が売上を得るために取引先の人を接待をする旅行に行った場合は費用にとして処理をすることができる。これが正解なのです。
個人事業主の費用の考え方
個人事業主の場合は自分に対して使ったお金は原則として費用ではないのです。これが基本的な考え方です。
自分に対して使ったお金が費用になってしまうと会社員にも課されいてる所得税の整合性がおかしくなってしまいます。
会社が社員に対して支払う残業食事代は費用として処理をすることができます。しかし会社員が残業時に自分で支払った残業食事代は所得税減額の対象とはなりません。
会社員がベビーシッター料金を支払っても所得税額や社会保険料には全く影響がありません。会社員が支払っても所得税や社会保険料が減額されない支払いは個人事業主が支払っても費用処理できないのは当然の仕組みだと思います。
この考え方が元になっているので個人事業主が自分自身の慰労のために支払った費用が費用として処理できるわけがありません。
自分の慰労のために支払った金額が所得税計算時に考慮されるのであれば会社員も同じように所得税を減らす仕組みが必要になります。
会社員が同じ行為をして所得税が減額されない行為は個人事業主がしても所得税が減額される費用処理は無理なのです。
個人事業主のいろいろな旅行
これはここまで書いたきた通り、自分一人の慰安旅行も家族と一緒の慰安旅行も費用として処理することができません。専従者給与を支払っている家族との慰安旅行も費用として処理をすることができません。
個人事業主が生計が一緒ではない親戚を従業員として雇っている場合、その従業員との旅行は税法的には費用処理可能ですが、公私混同の区別がつきにくい部分なので現実的には費用として処理をするのは難しいですし、費用として処理すべきでないと思います。
血縁関係が全くない従業員が数名いる場合の個人事業主の慰安旅行。これも税法的には費用処理をすることが可能なことになっていますが、現実的には全額を費用処理とすると税務署と揉めることが多いと思います。
取引先の人との慰安旅行、これも同上です。私もそうですが税務署は基本的に個人事業主性悪説の気持ちが異常なくらい大きいので、個人事業主は本当に売上を得るために必要な旅行費用であっても税務署と揉めに揉める可能性が高いです。
仕事関係の旅行を堂々と費用として処理する方法
会社を設立するべきです。会社を設立することは取引先や金融機関だけでなく税務署に対しても信用力が上がります。
税務署に対しては信用力が上がるというより、個人事業主に対しての信用が基本的に0どころかマイナスなので、会社を設立して経営することで「仕事をちゃんとしている可能性があるかもしれない」という目で見てもらうことができるようになります。
直接言うことはないと思いますが税務署の個人事業主に対する性悪説への偏見はかなり強烈です。無料相談などではニコニコと愛想良く対応していますが、本心はかなり酷い感じです。
個人事業主が旅行を費用として処理する方法が書かれているサイトが沢山ありますが、旅行費用を費用として処理をしたいのであれば会社を設立してからにするべきです。
「会社を設立する収益力も経営能力もないのに旅行に行った費用を費用処理しようと思うなんて笑わせるんじゃねーよ」というのが税務署職員の本音であり、私も同じように考えています。
仕事に関係する費用を堂々と費用処理をするためには、小手先だけの変な処理や裏技などに惑わされることなく本業に専念してまずは会社を設立してからにするべきです。
会社設立することもできない状態では、何を言っても信じてもらえないことの方が多いので正しいことをしているのであれば、正しいことをしたいのであればまずは会社設立をするところからスタートです。