独立して仕事スタート時にかかるお金!の話

工場
独立した時に必要な費用やお金、業種や規模によってまちまちだと思います。共通してかかってくる費用にはどのようなものがあるでしょうか。

プログラマーやデザイナー

ブログラマーやデザイナーなど、自宅で仕事をしている場合には目に見えにくい費用が発生することは少ないと思います。
パソコンや周辺機器など、初期費用はそれなりにかかりますが維持費などはあまりかからず、自宅での仕事の場合は家賃や交通費がかからないので余分な時間も費用もそれほどかからずに済みます。

小売店や飲食店

小売店や飲食店などのお店の場合は自分1人でスタートする場合であっても最初から家賃がかかる状態からのスタートになります。
デザイナーやプログラマーなど、パソコンを使ってする仕事や建設業も自分1人の場合は家賃が必要になりませんが、独立当初から家賃が必要な業種が多いと思います。

飲食店などの資金繰り

一見、飲食店のスタートは最初から家賃がかかってしまうので負担が重そうに見えますが現金収入であることが多いので運転資金は他の職種とくべると少なめで済みます。
飲食店などの現金商売以外の場合は毎月の収入は請けた仕事が完了してから、もしくは締日での出来高で取引先に請求をして、入金は請求から1ヶ月後くらい、遅い場合は40日から60日後の入金になってしまうことがあります。
現金商売以外は、このような商慣習になっていることが多いので仕事をスタートした最初の2ヶ月くらいは全くお金が入ってこない状態になってしまいます。
飲食店などの現金商売は仕入は掛けになっていることが多く、支払いは締日から20日後や1ヶ月後、入金はクレジットカードの売上は1ヶ月くらい後になりますが現金売上分の毎日現金収入ある状態。先に入金して後に支払いがくるという流れ。

クレジットカードのよる売上

現金売上とクレジットカード売上の比率は飲食店の中でもかなり差があると思います。小売店と飲食店、同じ現金商売であっても飲食店の方が例えがわかりやすいので飲食店に限定して書きます。
単価が安いお店、ラーメン店や定食屋、丼物店などはクレジットカード売上割合が低く、単価が高いお店ほどクレジットカード売上割合が高くなっていきます。
では単価が高い高級店ではクレジットカード売上率が高いので仕事開始時にそのことが影響して資金繰りが大変かというと、そういうわけでもなく。
高級店では現金仕入率が低いことが多く、仕入の支払いが後払いになる率が高いので仕入も売上も後回し状態。想定通りの売上があれば極端に最初の資金繰りが厳しい業種ではありません。
単価が高いお店であっても現金売上もありますので、現金商売以外と比べるとスタート時の資金繰りもその後の資金繰りも比較的楽な業種だと思います。そして費用のかかりかたも見た目通りに近く、わかりやすい業種だと思います。

今時のクレジットカード手数料

少し本題とは変わりますがお店がクレジットカード会社に支払う手数料の話です。クレジットカードを使った場合にお店がクレジットカード会社へ支払う手数料、昔は7%から9%くらいと非常に高い手数料率でしたが、今は小さな規模のお店であっても4%や4.5%程度になっています。
手数料が気になりクレジットカード払いを導入していない小売店や飲食店は単価が低いお店であっても、絶対にクレジットカード払いシステムを導入するべきです。

製造業や建設業の資金繰り

話を戻します。
仕入が必要であっても小売店や飲食店の場合は売上金額を現金で回収することができるので、比較的運転資金が少なくて済みますが、製造業や建設業の場合は仕入を先払いして、売上金額はその後に入金されてきます。
仕入代金も掛けであることが多いですが、仕入をして加工や設置をして納品や引き渡しをして仕事が完了。この後、締日がきた時に請求書を送り、入金はその1ヶ月後くらい。
仕入代金支払条件、売上代金入金条件共に月末締、翌月末決済が条件となっている場合。3月20日に材料を100万円分仕入、材料を加工して4月5日に250万円分を納品。
3月末付けで仕入代金100万円の請求書が届き、4月末に100万円を支払う。250万円の売上代金は4月末付けで請求書を発行して、5月末に250万円が入金される。
4月末に100万円の仕入代金を支払ってから、5月末に売上代金250万円が入金されるまでの1ヶ月間、100万円の仕入代金を先払いして立て替えておく必要があります。
この1ヶ月間は100万円を先払いしているだけでなく、家賃など他の費用も払い続ける必要があります。設備などの初期投資が少ない場合でも最初から数百万円くらいの運転資金が必要になってきます。

起業しやすい業種としにくい業種

最近、永江さんが企業しやすい業種と企業しにく業種に関するブログを書きました。
【起業をマーケティングする 2】起業しやすい、しにくい業種と、成長するためには何歳までに起業すべき?

一番参入しづらいのが製造業
重い設備投資や技術が必要になる製造業は開業障壁が高い。しかし意外と「町工場が閉鎖」みたいなニュースをよく見る割には廃業率は日本の中では標準クラス。いわれるほど廃業してはいない。

と書かれています。

製造業起業の初期費用は高額

製造業は機械などの初期設備投資無しで開業しても数百万程度の運転資金が必要です。
現在の製造業は数百万程度の設備投資をしても食べていけるだけ稼ぐとこは難しく、数千万円の設備投資をしても食べていけるかどうかはギリギリで、営業手腕と運次第。
安定して仕事を受け続けるためには1億以上の設備投資が必要な状態です。1億以上の設備投資をしても、5年経過後の成功率はあまり高くないと思います。エビデンス無しですがw
現在の製造業は昔と比べると単価が極端に下がり、ぼろ儲けができる時代ではなくなっています。一般的な製造業の長期的な見通しは非常に良くない状態です。誰でも、どこの国でも作れてしまう仕様の甘い量産部品を作っている会社は淘汰されていくと思います。
しかし新規参入が少ないこと、技術がある会社が代替わりが上手くいかずに減少傾向であることから、一定以上の技術と設備がある会社は短中期的には儲かる期間があると思います。
日本の製造業は全体的に壊滅的な方向へ向かっていくと思いますが、どのような会社が残っていくのか注意深く推移を見ていきたいと思っています。

この記事を書いた人

山口 健一

20年以上会計事務所で勤務し、20件以上の税務調査経験があります。

これだけの経験がある私だからこそ税理士との交渉をスムーズでわかりやすいものにするお手伝いをすることができます。

税務、法務、労務など会社経営に必要な全て業務知識を網羅しており、私が可能なことは私が対応をし、専門家に依頼すべきことは適切な専門家に依頼、仲介をすることができます。