飲食店は禁煙店にしないと潰れてしまう理由!の話

たばこ自販機
2月18日にこのようなニュースがありました。
客数減が止まらない、「モスバーガー」の苦境
3年前に業績を急回復させたマクドナルドとは対照的に、モスバーガーの業績が思わしくありません。
大きな理由の1つがモスバーガー不調の大きな理由の1つが、完全禁煙店ではなく分煙店であるということ。
モスバーガーの分煙は非常に評判が悪く、禁煙席にも煙や臭いが流れ込んでくることでも有名です。
そして家族連れの客が多く、喫煙席で小さな子供がタバコの煙にまみれているのをみるのも心地良くありません。
モスバーガーの件はさきほど永江一石さんが詳しくブログに投稿されました。
モスに関しては非常にわかりやすいですので、ぜひこちらを読んでください。
モスバーガーはガラス張りの喫煙スペースで幼児がDQNママに強制受動喫煙させられている児童虐待を見ながら食べる店・・から学ぶ業績回復の決定的な手法
私はチェーン店ではなく鮨屋など通常の飲食店のことを書きます。
平成元年、1989年の喫煙率は男性61.1%、女性12.7%。
平成29年、2017年の喫煙率は男性28.2%、女性9.0%。
平成29年、2017年の喫煙者数は男性1,426万人、女性491万人。
http://www.health-net.or.jp/tobacco/product/pd090000.html
https://www.jti.co.jp/investors/library/press_releases/2017/0727_01.html
直近30年くらいの喫煙率の低下は感覚通りと感じますし、皆さんの感覚ともほぼ同じだと思います。
しかし喫煙者数が男女合わせて2千万人弱くらい。
まだタバコ吸っている人がこんなに多いことに驚きました。
駅の喫煙所がモクモクになっているのもうなずけます。
タバコを吸っている人にとっては飲食店でタバコの臭いがしても全く気になりません。
私自身が1日にマイルドセブン(今はメビウス)を3箱から4箱、60本から70本くらい吸っていたのでタバコの臭いが気にならない気持ちがよくわかります。
しかしタバコをやめてから10年くらい経った今、喫煙可能な飲食店は不快ですし基本的に行こうと思わないですし行きません。
分煙であっても完全に分煙されているお店は少ないので煙や臭い流れてきてしまいます。
同じお金を払うならタバコの臭いがしないお店でおいしく食べたいと思っています。
チェーン店がどうして完全禁煙にしないのかは謎ですが、チェーン店ではないお店が完全禁煙店にすることを躊躇していること、事情、少し知っていることがあるので書いてみます。
駅前の不特定多数の人を相手にしているお店とお得意さんメインでやっているお店では客層が全然違うと思います。
お得意さんメインでやっているお店、まわっていないお寿司屋さんなどは製造業や建設業の経営者や幹部の人が中心であることが多いです。
経営者や幹部の人は未だに喫煙者であることが多く、そんな喫煙者が常連さんであるお店は、なかなか禁煙店にすることができないという現実があります。
さらに飲食店経営者自身が喫煙者であることが多く。
非喫煙者の気持ちがわからないので禁煙店にすることができないという現実もあります。
喫煙者には非喫煙者の気持ちが全くわからないと思います。
それは私が20年近く、1日に60本から80本くらいタバコを吸い続けていて、10年くらい前にタバコをやめたので喫煙者と非喫煙者の両方の気持ちがよくわかります。
喫煙者が経営している飲食店は非喫煙者がどれくらいタバコが嫌なのかが全くわかっていないです。
自分がタバコを吸っているので、タバコの臭いが味を損ねるだけでなく臭いがするだけでどれだけ苦痛か、服や髪の毛にタバコの臭いが付くことがどれだけ嫌なのか全くわかっていないです。
これは私自身がヘビースモーカーだったのでよくわかります。
そして今はタバコをやめてから10年くらい経つので、タバコの臭いが嫌という気持ちやこの無神経さを感じるお店が嫌という気持ちが良くわかります。
タバコの臭いに関しては、私の仕事関係の人は吸っている人が多いこともあり、私自身が昔ヘビーに吸っていて迷惑をいっぱいかけてしまっていたという気持ちがあるのであまり気にならず、気にしないようにしているのですが。
大多数の非喫煙者やタバコをやめて非喫煙者になった人にとってはタバコの臭い、特に飲食店でのタバコの臭いはとても気になることだと思います。
この部分のミスマッチというか、わかり合えてない感じは半端じゃないと思います。
店内を禁煙にせず、店舗経営が問題ないのならそれはそれで良いと思います。
しかし現在喫煙可能なお店で、経営状況が良くないお店、先の見通しが危なそうなお店は完全禁煙店にすることを考えるべきだと思います。
おそらく今喫煙可能にしているということは、タバコを吸う良いお得意さんがいるということ。
完全に禁煙にしてしまうと上位のお得意さんが来なくなってしまう。
そのことが心配でお店を禁煙にすることができない。
これがお店を禁煙にすることにできない一番大きな理由だと思いますが、実はもう一つ大きな理由と問題点があります。
それは喫煙可能なお店の経営者が喫煙者であることが多いということ。
お店の経営者が喫煙者なのでタバコを吸わない人の気持ちが全くわからないとうこと。
一番の問題点はここですね。
喫煙者には食事時にタバコの臭いがすることの不快な気持ちがわかるはずもなく。
禁煙店にしたら舌の肥えた客が来る可能性があるということなども当然わかるはずもなく。
先が明るくないということがわかっていながらも、喫煙者に頼るしかない状態、運まかせのお店が非常に多い状態です。
喫煙可能なお店、それもカウンターがあるお店は一見さんお断りのお店が多々あります。
入り口に表記していなくても初めての客はカウンターに座らせない、座らせても心地良くない対応をしてすぐ帰らせてしまう。
常連さんを守るために、常連さんの機嫌を損なうことのないように、場の雰囲気を読めず壊してしまう可能性があると感じた人は店に入れない、カウンターには座らせないお店が数多くあります。
昔はこれで良かったのかもしれません。
現状も常連さんはいっぱいお金を落としてくれていれば、今後も今と同じくらいかそれ以上に常連さんがお金を落とし続けてくれる見通しがあるなら今の状態を続けても良いと思います。
しかし現実は先細りになってしまうことに気が付いているはずです。
東京オリンピックが終わってしまえば、きっと東京オリンピックが始まる前あたりから喫煙者である建設業幹部を中心に全くお店に来なくなる可能性が高いと思います。
その状態になってからお店の方針を変えても手遅れです。
動くなら余力が少しでもある今。
今も余力がないかもしれませんが、1ヶ月後、6ヶ月後はもっと余力がなくなっている可能性が高いです。
それはお店を経営している人が一番よくわかっていること。
気が付かないふりをして過ごすのは限界だと思います。
横浜にある人気イタリアンのお店、リゴレット
リゴレット横浜店
高級店ではなく、非常にコストパフォーマンスの高い接客も抜群の人気店です。
以前は喫煙席と禁煙席があり、その後時間帯限定で完全禁煙となり、今は全ての時間で完全禁煙店になりました。
ネットで予約をすることが可能なお店です。
喫煙席が会った時は禁煙席だけ予約がずっと埋まってしまっていて喫煙席はいつも予約が埋まらず。
禁煙席の予約の確保が大変な状態でした。
大好きなお店ということもあり、完全禁煙店にすれば予約も楽になり、席も埋まるのに残念すぎるとずっと思っていました。
全席禁煙になって今は予約を入れやすくなっていて、店内にタバコの臭いがすることもなくなり最高のお店になっています。
リゴレットの客層はタバコを吸わない人が圧倒的に多いのでもっと早く完全禁煙店にするべきだったと思います。
今喫煙可能店で、メインの客が喫煙者であるお店が今後とるべき行動はただ一つ!
まずは経営者が喫煙者の場合はタバコをやめましょう。
タバコを吸わない人の気持ちを知ること、そこからがスタートです。
タバコをやめることで喫煙者と非喫煙者の気持ちがわかるようになります。
わかったうえで喫煙店を継続するか禁煙店に変わるかを決めるのが一番だと思います。
禁煙は難しいと言われていますが、あれ嘘です。
やめることができるかどうかは精神力だけの問題。
私は20年超、60本以上のタバコを吸っていましたが。
10年くらい前に値上げとか子供ができたとか全く関係なく、いきなりやめたくなりやめました。
最初の6時間は禁煙やめてしまおうかという気持ちが沸いてきてしまいましたが、翌日以降は全くしんどさなく禁煙をすることができました。
禁煙することすらできない精神力の人は、お店なんて経営しない方がいいと思います。
頑張っている、苦労している、大変とか言われても禁煙することもできない人が苦労話を語っても説得力全然ないです。
禁煙が気合いを入れれば全然難しくないということは私が身をもって経験しているので、禁煙がきついと言っている根性なしさんの話は全く聞く気にもなりません。
裕福な喫煙店経営者の人は今のままでもどうでも良いですが、先行きに不安を持っている喫煙者である喫煙店経営者の人はまず禁煙しましょう。
禁煙したことで体調が悪くなったり、仕事の効率が悪くなったり、思考能力が落ちたと感じてもそれは全部気のせいです。
タバコを吸っている人は元から毎日体調が良いわけではなく、仕事効率が良いわけでもなく、思考能力が良かったわけでもなかったはずです。
それは禁煙のせいではなく、元からだったのに全部禁煙のせいにしたいだけ。
元からダメな自分を認めずに禁煙を断念してしまう人の多いこと多いこと。
自分のことを過大評価せずに、ダメな自分を受け入れて気合いを入れれば禁煙なんて簡単です。
まずはタバコをやめて、ぜひ非喫煙者の気持ちを理解してから経営判断をするべきだと思います。
2018年2月24日追記
東京駒込にある「焼鳥どん」という焼鳥店が全席禁煙で全串80円であるという記事が大ヒットしています。
これ、焼鳥界の革命では?全串80円で全席禁煙の「焼鳥どん」が天国すぎて本当は誰にも教えたくない


これを書いたライターさんのツイッターのリツイート数は3600超、いいねは6500超。
大絶賛されています。
完全禁煙ということで週末夜は2時間待ちの大人気店になっています。
禁煙店にすると破綻してしまうと本気で考えている経営者の皆さん。
お店を禁煙店に変えて繁盛店に変えましょう。
今完全禁煙店にすれば応援で宣伝をしてくれる人が沢山いると思います。
やるなら今です!

この記事を書いた人

山口 健一

20年以上会計事務所で勤務し、20件以上の税務調査経験があります。

これだけの経験がある私だからこそ税理士との交渉をスムーズでわかりやすいものにするお手伝いをすることができます。

税務、法務、労務など会社経営に必要な全て業務知識を網羅しており、私が可能なことは私が対応をし、専門家に依頼すべきことは適切な専門家に依頼、仲介をすることができます。