時候の挨拶で今年の冬は寒い、今年の夏は暑い、今年の陽気はおかしいなどなど。毎年どの季節でもあちらこちらでやり取りされる言葉です。
この言葉通りですと年々冬は気温が低くなっていて、夏は暑くなっている。そして季節の変わり目は気温の上げ下げが激しく不安定になってきているということになります。本当に昔と比べて過ごしにくい気候に変わってきているのでしょうか。
私自身は東京と横浜しかわからないので関東地方南部限定の感触ですが、40年くらい前である子供の頃と比べると冬の気温は高くなり、過ごしやすくなっていると感じています。40年前は毎日庭に霜柱ができていて、バケツの中の水や近所の小さな池には厚めの氷が張っていました。
冬の最高気温がどの程度だったかの記憶はほとんどないのですが、氷と霜柱の記憶から最低気温は今より低い日が多かったと思います。
夏はどうだったか。
40年前と今ではエアコンなどの冷房器具の普及状況や性能、着ている服と行動があまりにも違うので感覚的な比較は全くできません。
昔は半袖半ズボンとうい服装でしたが今は真夏でもスラックスにワイシャツを着ていることが多く、気温関係なく大人になってからの方が真夏昼間の外出は暑さが身に染みて参ります。
しかし今は冷房器具などの普及や性能が上がった影響で屋内にいる場合は快適で、外の気温が高くてもあまり関係ありません。40年前は冷房は贅沢品であったのでうちにはなく、夏は毎日寝苦しい夜でした。昼間は冷房がなくて辛かったという記憶は全くないです。学校でも家でも暑かったとは思いますが、慣れだったのでしょうか。
今は真夏の昼間に冷房を使わないで過ごすなんて想像も我慢もできません。昔の冷房が普及していなかった時代委のことを考えると、人間の順応性や慣れるという力の強さを感じます。
自分の記憶と感覚でここまで書きましたが、東京の最近40年間の夏と冬の気温はどうなっているのでしょうか。気象庁のサイトで調べてみました。珍しくエビデンスありですよw
これは東京の1978年1月から208年1月まで、過去40年間の月別平均気温のグラフです。これを見てどう思いますでしょうか。私は40年間で暑くも寒くもなってないじゃん!って思いました。平均気温だけを見ると40年間で温暖化が進んでいると読み取ることはできませんでした。
私にしては珍しく、もしかしたら初めてエビデンスを用意したのですが完全に逆効果と言うか、書いたことを全否定するエビでスンになってしまいました。
これは東京の1872年1月から2018年1月まで、過去146年間の月別平均気温のグラフです。
このグラフを見ると温暖化が進んでいることがよくわかると思います。毎日の気温が1度変わってもほとんど変化はありませんが、月の平均気温が1度でも変わるということは体感的にかなりの温度差を感じる状態です。
146年間の平均気温グラフを見てわかることは確実に温暖化が進んでいて、冬の寒さは和らぎ、夏の暑さは厳しくなっているということです。
最近10年くらい、体感的には猛烈な暑さに悩まされている感じがしますがグラフを見ると最近数年間は暑さが和らいでいることがわかります。
このように人が感じる暑さや寒さはものすごくいい加減です。仕事でもプライベートでも時候の挨拶として今年は暑いですね、寒いですねという会話は非常に意味がなく、時間の無駄なのでするべきではないと思います。もっと時間を有効に使いましょう。