ZOZOTOWNに関する記事はデタラメ記事と書いたブログ!の話


今日フェイスブックにZOZOTOWNについて書かれた記事の批判記事が流れてきました。元記事への批判点は下記の通り。

デタラメ① ZOZOの売掛金回収期間は伸びていない
デタラメ② 仮に不良資産が事実だったとしても赤字にはならない
デタラメ③ 債務超過に陥る気配はどこにもない

ZOZOは実は赤字とかいうデタラメ記事について
ブログや記事は極論でないと読まれないでしょうが、極論に対して極論で返す。普通の人が読んでもどっちが真実に近いのかさっぱりわからないと思います。
こちらが元記事です。
136億円の純利益は見せかけか プロが指摘するZOZOの経営状況
両方の極論記事を読んだ私の感想はどっちもどっち。両方とも真実もあり、わかるはずのないことをわかった風に書いているだけ。会社内部のことなど外部の人にはわかるはずがないことなので、こんな断定的に偉そうに書かなければいいのに・・・というのが私の感想です。

論点はどこなのか

私が気になったのは元記事ではなく、今日流れてきた記事なのでZOZOは実は赤字とかいうデタラメ記事についてに書かれていることについて書きます。
そもそも何が言いたいのかよくわかりません。元記事に書かれている個々の部分が違うと言いたいのか、ZOZOの経営状態は健やかで良い状況であり、今後の見通しも良いということを言いたいのか。何が言いたいのでしょうか。
ZOZOの売掛金回収期間が伸びていないという主張、これが正しいかどうかは別として伝えたいことは何なのでしょうか。
元記事に書かれいてる売掛金回収期間が伸びているという話、これは私も真偽は微妙であると思います。
売上高が変わらず、売掛金だけが増えているのではないので売掛金回転期間が3ヶ月から5ヶ月間へと2ヶ月長くなってしまったと書くのは不適切だと思います。

では流れてきた記事は適切か?

元記事も非適切ですが売掛金回回転期間の異常さを指摘しない後記事も不適切です。
机上の計算では売掛金回転期間はそれほど悪化してなく、毎年第3Qは売掛金が増えているので問題ないという非論理的な話を持ち出して、さらに

そもそもZOZOの売掛金の中心はクレジットカード会社、代引きをする運送業者、ツケ払いの決済を代行するGMOPG等が中心で、貸倒れリスクはかなり低いはずである。

との非常に大きな自己矛盾を発生させてしまうことを書いてこの話題を締めくくっています。
ZOZOTOWNの第3Qに売掛金が増える理由は私にもわかりません。後記事を書いた人も理由はわからないはずです。季節柄と書かれていますが、この季節だとどのような理由で売掛金が増えるのかが言及されていません。
売掛金が増えてしまう理由、それが一番大切な部分なのではないでしょうか。
そして売掛金回転期間が異常な期間で高止まりしていることにも言及がありません。小売店で売掛金回転期間が4ヶ月近い状態は完全に異常です。

普通の売掛金回転期間とは

国が発表してるエビデンスは見つけることができず、エビデンスとしてはかなり弱いですが、私の感覚と近い期間を書かれているサイトがあったので引用しました。

【業種別平均売掛回転期間】
建設業:約3ヶ月
通信業:約2.5ヶ月
卸売業:約2.5ヶ月
農業:約2ヶ月
小売業:約1ヶ月
食料品製造業:約1.5ヶ月
不動産業:約0.5ヶ月

売掛金回転期間の見方と計算方法とは
上場企業など大規模な会社のことはわかりませんが、零細企業や中小企業の建設業は未だに手形が多いので売掛金回転期間は長め。製造業も建設業ほどではありませんが長めで3ヶ月弱くらいだと思います。
上記の小売業とZOZOTOWNは業態があまりにも違い過ぎるので同列に考えるべきではありませんが、それでもZOZOTOWN売掛金回転期間が4ヶ月近い状態が続いているのは異常な事態だと思います。
後記事を書いた人も指摘していますがZOZOTOWNの売掛金はクレジットカード会社と代引き業者、付け払いを代行しているGMOであることが想像できます。
この通りだった場合、売掛金回転期間が4ヶ月近くになりますでしょうか。クレジットカードも代引きだけであれば長くても2ヶ月程度です。
ツケ払いとなっているGMOへの売掛金が多く、支払条件が半年程度だった場合はこの数字はありえると思います。それ以外にこんな回転期間になってしまう理由、継続してしまう理由は私はわかりません。
おそらく会社幹部以外しかわからないのでこの件に関しての真実はどこにも書かれていないのです。
後記事を書いた人がこの部分まで書ききれるのなら元記事批判をするのも良いと思いますが、結局肝心な部分はわからないのかどうなのか、どちらであっても書くことができなかったということです。
元記事に対して後記事は上から書いてますが、この部分の真実を書くことができていないのでどっちの記事も変わらず、威張るほどのことではないと思います。

2番と3番

デタラメ② 仮に不良資産が事実だったとしても赤字にはならない
デタラメ③ 債務超過に陥る気配はどこにもない

ZOZOは実は赤字とかいうデタラメ記事について
結局売掛金回転期間が異常に長い理由を書くことができていないので2番と3番は書くべきこともなく、書きようがないのでこのような短い文章になっているのでしょう。
2点共に売掛金回転率が異常である理由が明らかにならないと真実がどこにあるのかはわからず、論理的な説明を書くこともできず、書いても全く意味がありません。

もし仮に不良資産が事実だったとしても、ZOZOが赤字になることはない。

2番のまとめはこの言葉で締めくくっています。言いたいのはこれなのでしょうか。
まとめの部分にも楽しいことが書いてあります。元記事を読み悲しくなったとのことですが、専門家がこの後記事を読んでどう思いますでしょうか。
私は元記事も後記事も支持しません。会計に詳しくない人に対してZOZOTOWN財務状況のおかしさ、不思議さや異常さを伝えるためには少し増した極論を書く必要はあるかもしれませんが、知識のある人が意図的に話を増して記事を書くのは大嫌いです。
そんな記事に対しての論理的ではない、主題ではない重箱の隅をつつく記事も嫌いです。両方の記事は真実をさらにわかりにくくさせてしまう記事だと感じました。

今現在わかっていること

ZOZOTOWNの売上は増えましたが、売上に対する売掛金の率が気持ち悪いくらい同じ率で増加。そして異常なくらい長い売掛金回転率も継続中。
不可解なタイミングでの自社株買い、借入金の増加などの財務体質悪化理由に対しても誰もが納得できるような詳しい説明がなされていません。
これが何を意味していることが多いか、わかる人にはわかると思います。中小企業とZOZOTOWNを全く次元が違う存在であるので、この不気味な感じは杞憂で終わると信じています。
この気持ち悪い部分をスッキリ爽快に解説してくれる記事が流れてくることを期待しています。

この記事を書いた人

山口 健一

20年以上会計事務所で勤務し、20件以上の税務調査経験があります。

これだけの経験がある私だからこそ税理士との交渉をスムーズでわかりやすいものにするお手伝いをすることができます。

税務、法務、労務など会社経営に必要な全て業務知識を網羅しており、私が可能なことは私が対応をし、専門家に依頼すべきことは適切な専門家に依頼、仲介をすることができます。