今の常識と昔の常識、笑ってしまうくらい変わってしまったことがあります。
日傘の色
昔は日傘の色と言えば白が常識でした。紫外線を反射させるから白が一番良いと言われていて、白以外の日傘は存在しませんでした。
それがいつの間にか黒が一番良いということになり全ての日傘は黒になりました。
そして今はどのようなことになっているか、外側が白で内側が黒が一番紫外線を避けることができると書かれているサイトやお店が多いですが、真偽は謎です。
アマゾンで「日傘」で検索すると、出てくる出てくるいろいろなな色が。
黒、白、ベージュ、何でもありのようです。
日傘の色や効果には「トンデモ」系の香りがします。
そもそも本当に効果があるのでしょうか。
数年後には日傘の色の常識が変わっているような気がします。
立ちション
立ちションという男の人が外でおしっこをする行為があります。
昔も今も立ちションは違法です。軽犯罪法であり、罰則規定もあります。
昔から違法行為ではありましたが、30年くらいまではその辺で立ちションをしている人が沢山いました。
私も小学生の時は学校の帰り道に普通に立ちションをしていましたし、子供の時だけでなく大人になってからも立ちションをしていたような気がします。
街中では電信柱に向かっての立ちションが定番でした。
何がきっかけで立ちションをしなくなったのかは覚えていません。
理由はよくわかりませんが今は立ちションをする人がほとんどいなくなりました。
罰則が厳しくなったわけではないのに悪行が減った、珍しい例の1つです。
飲酒運転
飲酒運転は重大な犯罪です。しかし罰則が厳しくなった2007年9月まではお酒を飲んで運転をすることに対して悪いという意識が今と比べると桁違いに小さかったです。
仕事の打ち合わせの帰りに立場が上の人に酒を勧めらても断りにくい風潮でした。
当時は駐車場付きの居酒屋が郊外には沢山ありました。車で飲みに行くのが普通だった時代です。
1999年11月28日に東名高速道路東京IC付近で飲酒運転のトラックが普通乗用車に追突した交通事故を契機に、飲酒運転に対して厳罰化に向かって動き始めました。
1999年11月28日15時30分ごろ、東京都世田谷区の東名高速道路東京IC付近で、箱根からの行楽帰りの千葉市の会社員(以下「夫」表記)の所有する普通乗用車(妻運転、夫と3歳・1歳の2女児の3名が同乗)が首都高速用賀料金所付近上り本線を走行中、料金所通過のため減速していたところ、高知県高知市から高知港→フェリー→大阪南港→阪神高速13号東大阪線→東大阪ジャンクション→近畿自動車道→吹田ジャンクション→名神高速道路→東名高速道路経由で東京に向かっていた飲酒運転の12トントラックに追突された(この時、別のワゴン車1台も事故に巻き込まれ損傷している。このワゴン車の運転手に怪我はなかった)。車は大破炎上。妻は自力で脱出し、夫も救出されたが、同乗していた3歳と1歳の女児2人は焼死。夫も全身の25%を火傷する大火傷を負い、皮膚移植を余儀なくされた。
この事故を契機に2002年6月から酒気帯び運転の基準である呼気中アルコール濃度の基準が下がり、さらに違反点数が増えて行政処分が非常に厳しくなりました。
2006年8月25日に福岡市の海の中町大橋で飲酒運転をしていた車に追突され、博多湾に転落。転落した車に乗っていた3人の子供が亡くなるという死亡事故がありました。
福岡海の中道大橋飲酒運転事故
この事故を契機に酒気帯び運転と酒酔い運転の刑事罰などが2007年9月に厳しくなりました。
・酒気帯び運転「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」
・酒酔い運転「5年以下の懲役又は100万円以下の罰金」
・飲酒検知を拒否した場合「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」
飲酒運転車両の提供者、飲酒運転者に酒を提供した人、飲酒運転車両の同乗者に対しても上記罰則と同程度の処罰がされることになりました。
酒気運転初犯の場合、30万円の罰金になることが多いです。初犯の場合は6掛けくらいです。
さすがに酒酔い運転を実際にして捕まった人の話は直接聞いたことはないのですが、おそらくこちらも初犯の場合は6掛けくらいだと思います。
2009年6月にはさらに飲酒運転時の違反点数が増えて行政処分が重くなりました。
2002年から2009年にかけての飲酒運転厳罰化の影響で交通事故死亡者数が大きく減りました。
これは政府統計の総合窓口にあったPDFから切り取ってきました。クリックすると大きな画像が開きます。
2002年は平成14年、2006年は平成18年です。平成14年付近、18年付近共に思っていたほどは交通事故死者数が急低下していませんでした。
しかし飲酒運転厳罰化により、交通事故死者数低下に劇的な効果をあげていることは間違いありません。
飲酒運転の事例は罰金を高くしたり、重い行政処分を科すことが犯罪や悪行を抑えるために最も有効な手段であるということが証明された事例です。
今では飲酒運転は罰金が高いからしない!ではなく、飲酒運転をする人は頭のおかしい人!というのが常識として、当たり前の時代になりました。
タバコ・受動喫煙
たばこに対する考え方や習慣も20年くらいで大きく変わりました。昔は極端なことを言うとどこでもタバコを吸うことができました。
飲食店や職場や路上だけでなく、電車、飛行機、映画館、病院など今考えると信じられないような場所でもタバコを吸うことができました。
タバコを吸えない場所や吸ってはいけない場所が圧倒的に少なかったです。
これはJTサイトに掲載されている性別・年代別喫煙率推移グラフです。
http://www.health-net.or.jp/tobacco/product/pd090000.html
2017年の男性の喫煙率は28.2%、女性の喫煙率は9.0%、男女合計の喫煙率は18.2%です。
ここまで喫煙率が減ってきましたが、喫煙に対する常識と非常識がムチャクチャな状態が続いています。
喫煙をするのは本人の自由なのですが、喫煙者は喫煙の悪影響に対する認識と知識が乏しすぎます。
受動喫煙の悪影響とタバコの煙がどれくらい臭いと思われているか、そしてタバコを吸った後にどれだけ臭くなっているか。
マンションなど集合住宅のベランダでタバコを吸ったり、台所の換気扇の下でタバコを吸う人が多いことから意識と知識の乏しさを感じます。
考え方が逆なんです。外にタバコを出すのではなく、喫煙者自身の家の中から煙を出さないことが重要なんです。
吸うのは勝手で自由なのですが自分の敷地内、エリア内で煙や臭いを閉じ込めていれば誰も文句を言いませんし、不満などないんです。
現状は喫煙者に何を言ってもあまり意味のない状態。昔飲酒運転をしていた人に何を言っても無駄だったのと同じように、それよりもゴミ屋敷の住人と会話をしている感じという方が実態に近いですね。
ネット上でタバコの話でクソリプを飛ばしている人はゴミ屋敷に住んでいる人達とイメージがかぶります。
今は喫煙率が20%を割っていて、今後も減り続けていくと思います。
このタイミングで飲酒運転の時と同じように悪質な喫煙に対して厳罰を科してもらいたいです。
飲酒運転の規制は悲惨な大事故が起きるまで規制に動くことはありませんでした。
何か起きてからでは遅いのです。
何か起きる前に厳罰を科す方向で動いてもらいたいです。
喫煙を罰するのではなく、受動喫煙状態にしてしまうことに対しての厳罰です。
基本的に自宅で窓を閉め切って、換気扇も回さない状態以外では喫煙できないような規制が欲しいです。
飲酒運転のように罰金が実額30万円程度。
これをやったら喫煙率が一気に10%を割ってくると思います。エビデンス無しですが。
喫煙の常識は昔とはかなり変わってきていますが、飲酒運転と比べるとまだまだ中途半端な状態です。
何かが起きる前に強烈な罰金をセットにした新しい法令ができることを期待しています。