今朝、永江一石さんのツイートを見てこの記事を知りました。
国税は、実はこうして「ビットコイン長者」を監視している
元国税庁査察官であり、現在は税理士である上田二郎さんの記事です。
「ビットコイン」など仮想通貨の急激な値上がりを受け、国税当局は多額の売却益を得た投資家らの調査を始めた。数千万~数億円の利益を得た投資家らをリストアップ。2018年の確定申告に向け、取引記録や資産状況をデータベースにまとめ、税逃れを防ぐ考えだ。
2018年1月1日に朝日新聞に上記のような記事が掲載されたことに触れ、元旦にこの記事を書かせた国税当局の意図について語り、そして下記のような方法で脱税者を捕捉すると書かれています。
それでは、国税はどうやってビットコイン長者をリストアップしたのか?答えは意外と簡単で、仮想通貨の交換業者に対して一斉調査をすればよいだけである。交換業者の利益はトレーダーからの手数料と、自社が持つ仮想通貨の値上がり益。税務調査をすれば、その両方を確認することができる。そして、調査を基にプロバイダーなどの調査を加えれば、トレーダーの住所、氏名、取引履歴などのすべてが明らかになる。これは「取引資料」と呼ばれる、調査と同時並行して「メシの種」を収集する手法だ。
3ページの記事ですが、主題に関して書かれているのはこの部分だけです。
コインチェック社やビットフライヤー社などの仮想通貨取引所に税務調査が入り、調査時に取引履歴の資料を提出させるので全ての利益を把握することができる。
簡単に書くとこんなことが書かれています。この考え方は正論です。
税務調査に入った時は取引先、特に支払先の情報収集するのが通例です。
任意ではありますが、正しく申告している会社は断る理由がないので税務署の資料提出には全面的に協力することが通例となっています。
下請け業者に支払った金額、支払い方法、支払先口座、事細かに税務署に資料を提出します。
通例に沿って考えると仮想通貨取引所も全ての情報を税務署へ提出すると思われますが、仮想通貨取引所にとって顧客の損益情報は何もよりも大切なものです。
損益情報を税務署に提出した場合、当然その取引所の利用者に税務調査が集中します。
SNSがこれだけ普及している今、これは会社にとって致命傷になります。
誰が税務署にチクる会社の口座を使うのでしょうか。
脱税する意図がなくても、自社を守るために税務署に情報を流す取引所に口座を作りたいと思う人などいるわけがありません。
全く同じような話がFX取引の時もありました。
支払調書提出が義務付けられる前の話です。
億り人は申告をしないとどうなるのか!の話
以前、上記投稿にも書きましたが、捕捉方法として考えられることは5つ程度。
FX取引の時はおそらく不動産を買ってしまった人達か別件での調査にて捕捉されてしまったと考えられます。
今の仮想通貨の状況もFX取引の時とほぼ同じような状況。
違うのはSNSの普及状況。SNSでの儲け自慢は捕捉されてしまう大きな理由の1つになると思います。
何度もこのような投稿を書いている理由は、脱税を幇助したいからではありません。
儲かったらバレる、バレない関係なく納税するのは当たり前のことだと思っています。
脱税は窃盗、泥棒です。
絶対に許されることではありません。
では何故書くのか。
今回のように正しいことを書きながら、微妙な書き回しでミスリードしていく記事が多いからです。
面白おかしく都市伝説的な話を堂々と書かれている記事の多さったら。
税に携わった期間が長い人から見ればすぐにバカらしいと思われる記事が大手サイトに堂々と書かれている気持ち悪さ。
面白おかしい都市伝説的な記事を書くのなら、国税当局が具体的にどうやって脱税者を捕捉しようとしているのか、FXの取引では全く捕捉できなかったことが、仮想通貨では可能と考える根拠をしっかりと書いてもらいたいです。