迷走中の台風12号は日本に接近中
これは7月18日15時45分現在の雨雲レーダーです。
ヤフージャパン天気の雨雲レーダー
台風の中心はまだ関東の南の海上ですが、外側の雲が千葉県や東京、神奈川県にも強い雨雲がかかってきました。
早めの避難をお願いします
台風12号は今後もさらに西へと進み関西地方に上陸、その後は西へと進み九州付近へと横断していきそうです。現在の勢力よりやや衰えながらの上陸になりますが、それでも985hPa程度の勢力を保ったまま関西地方に上陸しそうです。先日大雨により甚大な被害が出てしまった広島県や岡山県付近を通過していく予報になっています。先日の大雨の影響がまだ残っていて、地盤が緩んでいたりなど普段以上に災害が起こりやすい状況になっていますので、早めの避難をお願いします。
台風12号の異常な進路
接近中の台風12号の進路は過去の台風にはない動きをしています。日本付近には西から東へと吹く偏西風が吹いているので、低気圧も台風も原則として西から東へと進んでいきます。しかし台風12号はそんな常識を無視して西へと進んできて、さらに九州の西へと進んでいく予報になっています。これは7月28日12時の天気図です。右上の矢印の先に非常に強い高気圧があります。低気圧は引っ張り込む力があり、高気圧は外へ押し出す力を持っています。右上の矢印の先にある非常に強い高気圧の押し出す力が異常なくらい強いため、台風12号は西へと押されて西へと進んでしまうのです。
さらに朝鮮半島の北にある高気圧と沖縄の西にも高気圧があり、両高気圧からも押される力が働くために両高気圧の間を進むことになりそうです。過去にも強い高気圧の影響で東へ進むことができず、西へと進む台風がありましたが、北緯30度線以北で九州の西まで台風を西進させてしまうことは極めて珍しい現象です。私の記憶には一度もありません。
代表的な台風の進路
東から西へと偏西風に乗って通過
このように日本付近に近付くと西から東へと吹く偏西風の影響を受けて、東へと抜けていくのが一般的な台風の進路です。
偏西風に乗れずに強い高気圧の影響を受けた進路
東の海上の強い高気圧の影響で台風が東へと進めずに西へと進んだり、東へ進めずにほぼまっすぐ日本海への抜けていく進路です。高気圧の影響を受けた場合はこのような進路で進みます。今回の台風12号のような進路は異例中の異例です。天気図の東の海上にある高気圧は少し前まで日本に猛暑をもたらした高気圧。この以上に強い高気圧が猛暑だけでなく、台風の進路にもおかしな影響を与えてしまっています。
過去の迷走台風
これは東の海上にある強い高気圧に押されて西へと進み、北からも押されて一時南へと進み、最終的には高気圧の勢力が弱まってから北東へと進み、水温が低い日本海で消滅したパターンです。台風発生から消滅まで20日間でした。こんなに長い期間迷走していた台風は他に記憶がありません。
この台風も東の海上にある高気圧、夏の東の海上にある高気圧は天気予報で聞いたことがある太平洋高気圧というやつです。この太平洋高気圧の押されて西へと進み、太平洋高気圧の勢力が弱まってから北東へと進み、最終的にはまた太平洋高気圧の影響を受けて東には進めずに北北西へと抜けていきました。
このような迷走台風、過去にはほとんどありませんでした。日本に影響なくに西へ抜けていくか、北へ直線的に抜けていくか、北東へと進む王道コースを抜けていく台風しかありませんでした。
今回書いた2つの迷走台風はつい最近です。去年か一昨年だったと思います。少し前に気象庁のサイトで調べたのですが、もう忘れましたw。温暖化が進んでいる影響で太平洋高気圧の勢力が昔と比べて強くなっています。太平洋高気圧の勢力が強くなっているので日本の暑さが酷いことになっているのです。
今後もさらに地球の温暖化が進んでいくことが予想されます。気温が上がるだけでなく、太平洋高気圧の勢力が過去とは比べものにならないくらい強くなることがあるので、台風の進路も過去の記録や経験からは予想できなくなってきています。寒暖の差も激しくなってきいます。
温暖化の影響で猛暑や台風進路の異常など、今後もいろいろな問題が発生しそうですが、まずは台風12号による被害が少なくて済むことを願っています。
何よりもセーフティファースト、安全第一で動きましょう!