ホームページリース詐欺の現実!の話パート2

サイト製作
昨日書いたホームページリース詐欺に関する投稿の続きです。
ホームページリース詐欺の現実!の話パート1

ホームページリース案件

紹介していたのはおりこうブログというCMSツールです。リコージャパン経由で発注していました。今もまだこの会社あるみたいです。
おりこうブログサイト
ホームページリースのことに関して書かれいるサイトは月額3万円や5万円などと書かれていることが多いですが、私が知っている案件は総額が100万円弱程度、5年リースで月額2万円くらいのケースが多かったです。

これは昨日投稿した文章です。2010年から2013年くらいにかけてこのような案件が何件かありました。

2010年頃のサイト製作

パンフレットのようにサイト製作をして、ほとんど更新せずに置きっぱなしにするのであれば、激安のWEB製作会社に依頼するのが一番コストパフォーマンスが良いと思っていました。

例えば自動車部品を製作している製造業などのサイトは会社のパンフレットのようなものであり、サイトから新規顧客を得ることは非常に難しいのでパンフレットみたいなサイトでも十分です。

問題は週に1度は更新したり、書き足さなくてはいけないサイト。

しっかりとしたWEB製作会社に依頼をして、更新作業なども全て依頼した場合は会社が想定している金額とは桁の違う料金になってしまいます。

サイトを自動販売機程度にしか考えていないので、その金額の価値を理解することは難しいです。

サイト製作の選択肢

2010年頃はサイト製作は悩ましいこともありましたが、整理してみると下記くらいのことしか選択肢がありませんでした。
1 自社で勉強して、自社で製作して更新もする。
2 しっかりとしたWEB製作会社に依頼して製作、更新、管理を依頼する。
3 安いWEB製作会社にサイト製作を依頼して、更新はせずに放置する。
4 おりこうブログのような知識があまりなくてもサイト更新ができるCMSツールがある業者に依頼する。
5 サイト製作は諦める。

選択肢が沢山ありそうな感じであっても、具体的に考えるとこの5つしか選択がない状態でした。

サイト製作を有意義で意味あるものにするためには1番か2番を選択する必要があり、その気もそのお金も出す気がないのであれば5番、サイト製作は諦めてビラ配りなどアナログ戦術の方がコストパフォーマンスが圧倒的に良かったと思います。

即決で1番か2番を選択しない会社は3番を選びがちだと思います。当時このような相談を私が受けた時、下記のような説明をしていました。
・1番と2番のどちらか、サイトから集客したいのであれば1番しか選択肢はないこと。
・3番の安いWEBサイトを製作会社に依頼を選択するくらいなら最初からやらない方が良いと言うこと。
・自社で勉強してサイト作成することはできないが、サイト更新を続けるべきということは理解してもらえた人には4番のおりこうブログを紹介。

私がアドバイスをしてどうなったか

1番の自社で勉強をして自社でサイト作成と更新を選んだ会社はあるはずもなく、もちろん2番の高額な業者への依頼ももなし。

1番か2番を選択するくらいなら最初から会計事務所職員に相談してくるはずがありません。自分で考えて勉強してサイト製作しているか、自分で選択した業者に発注しているはずです。

3番の安いWEBサイト製作会社に依頼した会社は独自ドメイン取得や管理の手間と費用もけちり、数ページのサイトを無料レンタルサーバーに独自ドメインではないドメインを使ってサイトを公開していましたが、1ヶ月のアクセスはほぼ0状態のまま、その後どうなってしまったのかわかりません。

会社名でググれば表示されてしまう可能性があるので、パンフレット代わりであってもお粗末すぎるサイトを公開することはマイナス効果しかないのでやめるべきです。

おりこうブログを使った会社はどうなったか

結論を先に書くと、有意義な運用ができた会社はありませんでした。

おりこうブログの場合はリコージャパンがドメイン取得や管理やレンタルサーバー業務を行い、CMSツールを提供するディーエスブランドという会社はサイトの製作や移行、CMSツールシステムのサポートや更新作業の代行をするだけであり、今も会社は問題なく運営されていることもあり大きなトラブルは起きたことはありませんでした。

ホームページリース詐欺案件で一番困ってしまうのは、ドメインの所有権やサイトデータの所有権でトラブルが起きたり、損失してしまうことです。

おりこうブログの場合はドメイン管理やデーター保存場所であるレンタルサーバーはリコージャパンが管理をしていて、もちろんこの部分はリース契約ではないので紹介をしていました。

おりこうブログを使った会社は有意義な運用をできなかった

トラブルは起きませんでしたが有意義な運用ができなかった、どういう状況になったのか。

最初はサイト製作か今あるサイトの移行作業からスタートします。この部分は全く問題が起きたことはありませんでした。

問題はここから先、サイト完成後のサイト更新作業やブログ更新作業です。必要最低限の更新作業をしていた会社はありましたが、更新頻度は年に数回。

ブログの更新をしていた会社はありませんでした。サイト更新やブログ更新をしないのであれば安いWEB製作会社に製作してもらって放置状態と変わりません。

金額はCMSツール使用料の部分が60万円くらい、20ページくらいの既存サイトの移行料が20万円くらい。合計金額約80万円、5年リースの場合ですと料率2%として16,000円、消費税が5%の時は16,800円、8%時は17,280円が月額リース料となります。

使い方もわかりやすく、サイトの知識がなくてもサイト更新やブログ更新が簡単にできるシステムだったので、ちゃんと更新をする会社にとってはコストパフォーマンスが良かったです。

激安が好きで努力が嫌いな人

今さらではありますが、サイト更新やサイトに関する事柄を勉強する努力が嫌で、お金をかけることも嫌な人がサイト更新やブログ更新なんてするわけないんです。

おりこうブログはサービスとしてはコストパフォーマンスが良いサービスですが、これを選択する人は学んだり継続して更新を続けていく気持ちが小さい人であることが多いので、有意義な結果になることはありません。

おりこうブログは詐欺ではありませんでしたし、現在も詐欺ではないのですがこれを選択したいと思っているのであれば、心構えが完全に間違っているので契約しない方が良いです。これから本気でやろうと思ったらこれではないはずです。

現在はJIMDOなど、非常に安価で使いやすいCMSツールサービス、独自ドメインを使用して運用やブログも運用可能なサービスが沢山あります。

おりこうブログを使うのでしたら勉強と努力をする必要がありますが、自分でサービス探しから始めて、サイト作成と更新作業を頑張ってみるべきです。

それが嫌で無理な場合はサイトは諦めてアナログに生きた方が効果があると思います。

ホームページリース詐欺とは

一番元の本題に戻ります。いろいろなサイトに様々なことが書かれていますが、一番の問題点は成果物を見る前にリース契約とすることだと思います。

5年のリース契約を結び、それからサイト作成作業や移行作業に入ります。

このサイト作成作業の時点で満足ができなくても契約を破棄することができません。

サイト移行も同じで、以前と全く同じ状態に移行できると言われてリース契約をしてしまい、その後の作業で全然違う状態でしか移行できなかった場合であっても契約を破棄することができません。5年リースであれば5年間払い続けなくてはいけません。

後はドメインの所有権と管理、サイトデータの所有権と管理の部分でトラブルが起きることも多いです。

契約した会社が倒産してしまってなくなってしまった場合、ドメインもサイトデーターも取り戻すことは非常に困難です。

契約途中で残金を一括払いにして他のサービスに移行することができるかどうか、最初に確認しておかないと危ないです。

ドメイン取得と管理、データー管理も含めたレンタルサーバー契約をリース契約に含めてしまうと何もかもが自社に取り戻せなくなってしまう可能性があります。

サイト製作会社選びで大切なこと

契約する会社が詐欺かどうかということより、自分で継続的に努力をし続けることができるか、やる覚悟ができているかということが一番大切です。

契約がリース契約であってもどのような契約であっても、詐欺会社であってもなくても、相当な覚悟を決めてスタートしないと結果はほぼ同じです。お金を捨てるだけになってしまいます。

初期費用0円、安く簡単にクオリティの高いサイトが手に入ります。

このような宣伝に惹かれてしまう人や会社は、業者が詐欺でなくても意味のあるサイトなどできるはずがありません。これはサイトだけの問題ではなく、経営者としての資質の問題です。

ホームページ詐欺について書いているサイト

このブログを書くにあたり、他のブログではどのように書かれていてるのか、ググってざっと読んでみました。かなり質が悪いです。

実務経験が全くない人や、知識レベルが低い人が適当なことを書いているサイトが非常に多いと感じました。

半分くらいは怪しげで誤解をまねくようなことが書かれているサイトなので、この件に関してはググって調べたりせずに、信用できる専門家に聞くべきです。

質の悪いブログやサイトが多かったのですが、一番ひどいと感じのはこのサイトです。

例として
青色Aは「最初の制作費40万円、サーバー代月額5,000円」で計算
赤色Bは「初期費用0円、月額30,000円」で算出しました。
※注意:この金額は弊社の知見に基づくものであり、一般的な参考料金としてお考え下さい。
ご覧いただくとわかりますが、「初期費用0円プラン」は、初年度こそ安いものの、もともとの月額費用が高いため、2年目には逆転、5年目には180万円、10年目にはなんと360万円ものお金を支払うことになります。普通の契約と比べてその差3倍以上!どちらが結果的に安いかは歴然としています。

サイトのリース契約は止めましょう

サイト内のグラフに関する説明書きです。Bというのは月額3万円で5年間のリース契約をした場合のことが書かれています。3万円×60ヶ月、5年間で180万円というのは合っています。

そのまま契約を10年続けると3万円×120ヶ月、360万円と書かれています。

リース契約というのは契約期間が終わると物件を返却するか再リースをするかを選択することになります。

5年契約であったリース契約を6年目以降も継続する場合は再リースをすることになります。

再リース時のリース料は12分の1くらいになります。当初契約が月額3万円であれば、6年目からは年額が約3万円になります。

月額3万円で5年間のリース契約をして、10年経過まで再リースをして契約を永続した場合は3万円×60ヶ月、3万円×5年間、180万円と15万円の合計金額である195万円になります。

これを書いた人リース契約をしたことがないのか、意図的に間違えて書いているのであれば悪質です。

おそらく前者だと思いますが、どちらにしてもこの件について書かれているサイトは質が悪いサイトが多いです。気を付けてください。

この投稿を書いていて、リースの関するおかしな取引や逃亡事件がいろいろあったことを思い出しました。今時引っかかる人は少ないと思いますが、警告の意味をこめて近いうちに書きます。

この記事を書いた人

山口 健一

20年以上会計事務所で勤務し、20件以上の税務調査経験があります。

これだけの経験がある私だからこそ税理士との交渉をスムーズでわかりやすいものにするお手伝いをすることができます。

税務、法務、労務など会社経営に必要な全て業務知識を網羅しており、私が可能なことは私が対応をし、専門家に依頼すべきことは適切な専門家に依頼、仲介をすることができます。